北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)側が2日午後、平壌放送を通じて南北対話再開を提案したのに続き、昨日再び板門店(パンムンジョム)を通じて同内容のファクシミリを送って来た。去る3月以来、北朝鮮側によって一方的に中断されていた南北対話が、約5ヵ月ぶりに再開するきっかけが作られたことになる。
統一部側の説明通りなら、北朝鮮側は、3日から開かれている中朝首脳会談で、中国側からより多くを引き出すカードとして、ひいては、今年10月のブッシュ米大統領の訪韓以前に、南北対話をある程度復元させておく必要性から、今回の提案に至ったという。北朝鮮側としては、米朝対話再開に向けた事前の地ならしということだ。
しかし、北朝鮮側の真意を考えると、今回の提案にはいくつか割り切れない点があることは事実だ。何より林東源(イム・ドンウォン)統一部長官に対する国会解任案票決で政局が混乱を極めているこの時に、波紋の当事者である林長官あてに、このような提案を送ってきたという点がそうである。ハンナラ党と自民連側から「林長官救出作戦」と疑われても仕方がない時期と形式であると言わざるを得ない。
今回のように、国内政治に介入するようなやり方で対話を提案することは、北朝鮮側にとっても望ましくない。韓国側の一部からは、寧ろ北朝鮮側の真意に対する疑いの念を助長するだけで、結局、対北支援に反対する声が大きくなるからだ。
今度の提案の主体が、昨年のように閣僚級会談や首席代表、内閣の名ではなく、対南前衛機構である祖国平和統一委員会(祖平統)であるという点も気にかかる。北朝鮮側は、90年代までは主に祖平統の名で対話を提案してきたと言うが、その時と今とでは時代が違う。北朝鮮側が従来の高官級会談の枠を活かして、対話の意志を明らかにしたなら、より説得力があっただろう。
一旦対話を提案しただけに、北朝鮮側は、今後日程および議題交渉で誠意ある姿勢を示さなければならない。南北間には京義線の復元、離散家族問題、金剛山陸路観光、経済協力の4大合意書交換など、今すぐ取り組まなければならない懸案が山積みである。北朝鮮が、このような事柄を度外視したまま、他の意図で南北対話を利用しようとするならば、そのつけは結局北朝鮮側に廻ってくるだろう。
放送による北朝鮮側の提案があるやいなや、統一部が即座に「歓迎論評」を出したのは、好ましい姿ではなかった。国民は、政府が専ら北朝鮮に振り回されているという印象をさらに受けたかも知れないからだ。政府は、林長官解任案の国会通過を対北姿勢を毅然とさせる契機としなければならない。






