一昨日開かれた与党民主党議員らの政治改革ワークショップで、「一部の大統領選挙候補者らが、選挙を控えて金品をばらまいている」という発言が相次ぎ、波紋が広がっている。
全体の発言内容を見ると、ある大統領選挙の候補者がいつ、どこで、どのように金品をばらまいたのかは明らかでないが、このような発言が一人ではなく、何人もの人から、それも党の重鎮から出たことを考えると、それなりの信憑性がある。
ある重鎮の側近は、党支部に一部の候補者らが金品の入った封筒を置いていくケースが多く、深刻に議論されたことがあるとし、大統領府にも報告したと述べた。国民の知らない間に党内で問題が広まったようだ。
まだ、民主党は党内選挙の日程も決まっておらず、大統領選挙まであと1年以上も時間がある。与党内部ですでにこうした金品をばらまく問題が公に取り上げられていることは、今後多くの「ブラックマネー」が政界に流入し、金まみれの堕落した選挙になる恐れがあり、懸念を表明せざる得ない。
ただでさえ、一回の大統領選挙が終われば、国の屋台骨が傾ぐという言葉まである。先の大統領選挙の際も、各党の大統領候補らは200億〜300億ウォンの選挙資金を使ったと選挙管理委員会に届け出たが、公式な選挙期間の他に使った資金まで合わせると、数千億ウォンに上るだろうと、政界が口を揃えている。
その資金がどれだけ政治に対する不信感を助長し、韓国経済に暗い影を落としているのかは、改めて説明するまでもないだろう。
現政権は、政治改革を国政の目標に掲げているが、具体的な成果は見られない。与野党が党利党略にとらわれているあまり、交渉は平行線を辿っている。こうしたなかで、与党の候補者らが金品をばらまくという旧態依然とした姿勢には、現政権の政治改革がもはや拍子抜けしたのではないか、とさえ思えてくる。金品をばらまくような候補者が頑張って民主党の大統領候補になれたとしても、国民の支持を得ることは不可能だろう。与党がこうした人物を大統領候補に選ぶこと自体情けないことであり、恥ずべきことである。
民主党内部でも問題の深刻さを十分認識しているようだ。党内の候補者選び選挙の過程で金品の受け渡しをする予備候補と代議員については、刑事処罰ができるよう政党法の改正を主張する意見も出ているようだ。
民主党の今後の対応を見守るべきである。しかし、明らかなのは、自己刷新の努力なくしては、政治改革に失望した国民の支持を取り戻すのが非常に困難だということだ。直ちに、一部候補者らの金品のばらまきを根絶できるような仕組みをつくってほしいものだ。






