
最近になって、金大中(キム・デジュン、DJ)大統領、金鐘泌(キム・ジョンピル、JP)自民連名誉総裁、金泳三(キム・ヨンサム、YS)前大統領のいわゆる三金は、表舞台から退くべきだという主張がしばしば話題にのぼってきたが、彼らはいまだに健在だ。
むしろ、こうした主張を嘲笑うかのように、このうち二人は大統領になり、最近は残りの一人も側近らを通じて大統領選挙への挑戦をちらつかせている。
自民連のJP名誉総裁特有の禅問答に端を発した、いわゆる「JP大望論」が、新たな強者を見出すための布石なのか、それとも独り立ちをするためのものなのか、あるいは三金連帯を模索するためのものなのかは、定かではない。
ところが、今後両金氏がJPを推すシナリオが出来ているとの噂が流れていることから、三人目の金の最後の政治の行方に警戒をゆるめる訳にはいかない。
いままで、出身地域を盾に取った三金の合従連衡が公正な政治競争を阻害してきたためだ。
三党統合を通じたJPとYSのいわゆる呉越同舟がYS政権を生み、JPとDJの連合がDJ政権を誕生させた。このように三金の政治談合を通じたカルテル政治は、市場でいくつかの企業が談合して経済利益を得るのと同じように、政党政治の公正な競争を阻めているのだ。
民主国家では、だれもが自由に大統領選挙に立候補できる。特定の人を排除することは間違っている措置だ。しかし、三金の場合は、弊害があまりにも大きいため、三金式のカルテル政治を問題視しているのだ。
金泳三大統領の時には、通貨危機に見舞われいまだに苦しんでおり、今の金大中政権では、医薬分業の混乱と医療保険の財政破綻、対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策と関連しての韓国内でのいわゆる南南葛藤、租税の正義を前面に押し出したマスコミへの弾圧、そして景気の低迷を挙げられる。
両金に苦しめられた国民は、もうこれ以上三金政治を容認してはいけない。さらに61年の軍事クーデターの主役だったJPが、民主化時代に大権に欲を出すとは理に合わない話しだ。というのは、権威主義政治の復活を意味しているからだ。
しかし、問題はJPが民主化以降、作られた三金政治カルテルの一員になっているということだ。政党政治のありさまがここまで落ちると、たまったもんじゃない。
いままで、三金退陣論が宙づり状態になっているのは、三金の政治カルテルを破ることができなかったからだ。党内部ではどんな努力をしても無駄だ。
例えば、50代の旗手が党を超越した連帯を組み、三金の対案として立候補すれば、三金退陣は可能である。
30年前に、 両金が40代旗手論を掲げて新民党の大統領候補選挙に出馬した時、金泳三候補だけだったら、 党元老のカルテルを破ることはできなかっただろう。ほかに、金大中候補と李哲承(イ・チョルスン)候補が同時出馬したために実現したことだ。
今は、三金による三党統合や連合がいつでも可能なため、三金カルテルを破るには、党を超えた50代の旗手が力を合わせて、三金の対案として出馬しなければならない。
彼らが、「私はほかの政治家とは違う」と、私情にとらわれて連帯を組むことができない場合は、三金の政治カルテルから脱することはできない。
だが、もっとも重要なことは、単に50代旗手論だけを掲げてはいけないということだ。なぜなら、三金カルテルの出現と維持に役立つ政党政治の枠組みを改めなければ、新たに勝者が誕生しても、また三金のようになるからである。
言い換えれば、彼らを支えてきた枠組みを崩さなければ、今の三金はいなくなっても、再び新たな三金式の政治指導者が出現するとのことだ。
党首会談、指導部からの公認、場外闘争、政府与党協議会、党事務局中心の院外政党体制、政党に対する国庫補助金の私財化などがすべて三金の政治カルテルを維持させてきたものだ。
これらすべては、権威主義の時代に作られた政治慣行だが、その弊害がいまだに続いている。
こうした慣行をなくすためには、結局政党改革が最優先課題となる。
今の党員制度は、基本的に「お小遣い」をもらって総裁や委員長のお使いをしていることから、これは一日でも早く清算しなければならない。
特に、政党の基本要素を党員と考えず、支持者(supporter)だとする発想の転換が必要である。なぜなら、自由民主主義選挙では、党員が少なくても支持者が多ければ、権力を握ることができるからだ。結局、新たな人物が現れて、政党の枠組みを改めてこそ、カルテル政治はなくなるだろう。
金容浩(キム・ヨンホ、翰林大学政治学教授、東亜日報客員論説委員)





