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母へのプレゼント

Posted August. 20, 2001 09:52,   

全羅南道長興郡(チョンラナムド・チャンフングン)の長興実業高校1年の金文姫(キム・ムンヒ、16)さんは10日、周りから引き止められるのを押して、光州(クァンジュ)にある朝鮮(チョソン)大学病院で腎臓摘出手術を受けた。

提供を受けたのは、数年前から慢性腎不全を患っている母親の魏仙京(ウィ・ソンキョン、39、全南長興郡長興邑)さん。

「父さんは糖尿を患っており、弟も耳が不自由であるうえ、母さんまで床に臥しているのがあまりにも不憫に思えて、母さんに私の片方の腎臓を提供しました」。

母の魏仙京さんはこれまで薬で凌いでいたが、最近になっては腹膜透析も限界に達し、すぐにも腎臓移植を受けなければならない状態まで悪化していた。そんな母のために、金さんは自らの臓器を提供したが、彼女自身も患者同様の状態。

金さんは、先天性心臓疾患である心房中核欠損症を患いながらも、経済的な事情で治療を受けることができなかった。ようやく2年前に手術を受けることはできたものの、今でも運動をすると息苦しくなるなど、完全な調子とはいえない。

当初、金さんが母の入院している朝鮮大学病院側に自分の腎臓を提供したいと申し出た際、病院側は、手術を受けるには若すぎるうえ、手術の前歴があるということを理由に難色を示したが、金さんの頑なな意志を変えることはできなかった。

「手術に入る前に、母さんが私の手を握りながら『ごめんね』と言われた時には胸が詰まる思いでした。でも、これから一生の間、母さんの中に『私』が一緒にいられるのが嬉しい」と金さん。

18日、退院した金さんは、臓器移植患者のいる無菌室で母の看病をしている父と、その間一人ぼっちで家の留守番をしていた弟を思うと、胸が裂ける思いだ。

個人タクシードライバーの父、金裕厚(キム・ユフ、42)さんは、完治が難しいとされる糖尿患者。病院の薬と食餌療法で何とか持っているとはいえ、合併症による視力の低下で夜間運転はできない状態だ。

金氏は最近、苦心の末個人タクシーを売物に出した。夜間運行ができず収入が少ない上に、いざ妻の手術費用2000万ウォンあまりの工面に困り、唯一の収入源となっていた個人タクシーを売ることにしたもの。

金さんの実弟、恭義(コンイ、14)君は、2才の時に聴覚を失った障害者だ。聞くことができないために自閉症まで得てしまった恭義君と母の魏氏のため、金さん一家は気楽に外出もできなかった。

「父さんと母さんが早く良くなって、弟も笑顔を取戻したら、家族みんなで近くまで旅行にでも出かけてみたいです」。

将来、看護婦になりたいという、金さんの小さな願いである。



鄭勝豪 shjung@donga.com