インドネシアのワヒド大統領が23日、国民協議会(MPR)の弾劾によって政権の座から退き、後任にメガワティ・スカルノブトリ副大統領(54)が5代目の大統領に就任した。
同日午後にMPR総会で電撃的に就任したメガワティ新大統領は、25日に新内閣の陣営を発表し、次期政権を発足させる予定。
不正資金疑惑が発覚し、議会内の主要勢力との対立が続いていたワヒド前大統領は、同日未明に「議会とMPRの凍結および1年以内の総選挙の実施」を内容とする文民非常事態宣言を発令したが、MPR所属の大半の議員はもとより国軍や警察までも非常事態宣言を拒否したため、政権が発足して21ヵ月目にして不名誉な退陣となった。
しかしワヒド前大統領は、MPRの弾劾決定を拒否し、大統領の座から退かない構えであり、 しばらくはメガワティ大統領とワヒド前大統領との間でにらみ合いの状態が続くものと見られる。
また、首都ジャカルタでは、メガワティ新大統領および主要政党を支持する国軍や警察とワヒド前大統領を支持するイスラム勢力とが衝突する可能性が高く、緊迫した状態となっている。ワヒド前大統領の支持者約400人はこの日、大統領府前に集結し「死をもって大統領を守る」と唱え、軍や警察と対峙している。
MPRは、同日午後の会議で、ワヒド大統領の弾劾とメガワティ副大統領の大統領就任を決議した。
MPRは午前の会議で、出席議員601人のうち主要8会派559人の賛成でワヒド大統領の文民非常事態宣言への拒否を可決するとともに、メガワティ新大統領が率いる最大政党の闘争民主党(PDIP)と第2党のゴルカル党が、ワヒド大統領の弾劾とメガワティ副大統領の大統領就任を要求する内容の弾劾案を発議した。
李鍾鎡 taylor55@donga.com






