金大中(キム・デジュン)大統領が設立したアジア太平洋平和財団をめぐる疑惑が深まりつつある。1994年の設立以来2000年までの7年間、後援金などおよそ213億ウォンを集めていたことが明るみに出た。これと関連して野党ハンナラ党は、「アジア太平洋財団は『DJの私金庫』と取りざたされている不正疑惑の本山」だと攻勢に出た。
ハンナラ党はまず、アジア太平洋財団の「支出・入の状況、後援者の名簿、納税実績などが完全にベールに包まれている」と指摘した。また財団が東橋洞(トンキョドン)の金大統領私邸一帯に60億ウォンをかけて新しく財団のビルを建てているなど、「第2のイルヘ財団(全斗煥元大統領の時に問題になった財団)」に代わる恐れがあるとし、すべての疑惑を解明するためには税務調査をすべきだと主張した。
現職の大統領が設立した公益財団が、その運営の不透明性と関連して攻撃されること自体恥ずべきことである。年平均30億ウォンの後援金を手にしながら、後援者の名簿やその金額、使途などを明らかにしたことがないことから、このような攻撃を受けているのだ。非営利団体は税務調査の対象ではない、という話もあるが、税務調査をしてでも疑惑を明らかにしようとするからにはそれなりの理由があるに違いない。
もちろん財団側は、同財団が外交通商部に登録されている純粋な公益財団で、会計決算を毎年外交部に透明に報告していると主張している。平和統一と民主主義の研究・開発をする純粋な学術団体として、後援金はセミナーの開催や人件費など適法に使っているとしている。しかし、同財団の決算内容はいまだに国民はもちろん政界にも透明に開示されたことがない。外交部であれ、財団であれ、資料の提出を拒否しているからだ。
大統領が設立した上に、現在の理事長は空席のまま、副理事長を大統領の息子が務めているいるとなれば、純粋な学術団体だとしても国民がその収入・支出に関心を持つのは当然のことである。さらに大統領が退任後、財団に復帰するということが知られている状況であればなおさらのことである。年平均30億ウォンの後援金が集まるのも、大統領がその後押しをしているために可能なことだと考えている国民も多いはずだ。
だとすれば、この時点で財団側が自ら進んで過去7年間の収入・支出の内訳をガラス張りにするのもよかろう。財政の内訳を明らかにしないのは、法的に問題視されることがないかも知れないが、ことが大統領と関連した財団の疑惑であるだけに、法的な問題を取り上げる前に国民の情緒を先に考える必要がある。
野党の主張は何でも政治攻撃だと決め付ける与党や、新たな証拠もなく疑惑だけを提起する野党の前で、財団は自らその財政を明らかにすることが、政争の具をなくす道である。





