世界経済が異様だ。米国経済がなかなか回復の兆しを見せずにいる中、対米輸出に依存してきたシンガポール、台湾などのアジア諸国が相次いで景気減速の様相を示している。デフォルト(債務不履行)の危機に直面しているアルゼンチンとトルコは世界経済の雷管とみなされており、欧州経済の心臓とも言われるドイツは、今年経済成長率の見通しを大幅に下方修正した。
▲アジアの景気低迷ドミノ現象〓シンガポールは、第1・4半期(1月〜3月)の国内総生産(GDP)が昨年の第4・4半期(10月〜12月)より11.3%減となったのに続き、第2・4半期(4月〜6月)にも前半期同期対比10.3%減を記録したと、10日発表した。GDPが2個半期連続で落ち込み、景気低迷が始まったことを示した。今年の経済成長率の見通しは当初の3.5〜5.5%から0.5〜1.5%に下方修正された。成長力の後退でシンガポール・ドルは1ドル=1.84米ドルを記録し、11年ぶりの最安値を記録した。
昨年10%を超える高成長を見せ付けたマレーシアは、第1・4半期には経済成長率が3.2%に急落し、フィリピンやタイも3%未満にとどまった。台湾は第2・4半期にはわずか1.1%だった。フィナンシャル・タイムズ紙は、「タイ、フィリピン、インドネシアはマイナス成長へと転じるだろう」とし、東アジアに景気低迷への恐怖が拡散しつつあると報じた。
アジア経済が一斉に下落を示しているのは、米国経済の鈍化による輸出減少のため。台湾、シンガポール、マレーシアは全体輸出で情報技術(IT)分野が20〜40%を占めているが、今年に入って、マレーシアは半導体生産が対前年同期比10%減、台湾は12%減となった。
▲地球村不況の雷管「南米」〓デフォルトの危機に瀕しているアルゼンチンは10日、外債償還のために高い利回り(14.1%)で8億8000万ドル分の国債を発行した。先週8%下落した株価は10日も6.13%落ちた。国際通貨基金(IMF)は、1300億ドルの莫大な外債に頭を悩ましているアルゼンチンに、来年まで400億ドルを援助することにした。アルゼンチンが、今年の財政赤字を65億ドルまでに減らすという条件付きだが、条件を満たす可能性はほぼゼロに等しい。
ブラジルはエネルギー難に加えて経常赤字が大幅に増え、通貨レアルが暴落し11日史上最安値を記録、1米ドル=2.57レアルまで落ち込んだ。今年だけで30%下落した。政府は年末まで60億ドルを投入し、通貨市場の安定化を図ると言っているが、外国投資家らはそっぽを向きはじめたと、AP通信は伝えた。
ロンドンUBSウォーバーグ証券会社のアレックス・ギャラード研究員は、「アルゼンチンとトルコがデフォルトを宣言した場合、エマージングマーケット(新興市場)に膨大な資本が流出し、世界の経済に大きく波及するだろう」との観測を示した。
▲力を落とした「成長機関車」〓リンゼー米大統領経済補佐官は11日、「米経済が営業実績の低調と投資不振で萎縮している」と述べた。第2・4半期の経済成長率はゼロ接近の見通しだ。ドル高が続く中、企業の収益悪化、失業率の増加、株価暴落が続いている。同補佐官が明らかにした第3・4半期と第4・4半期の展望は、それぞれ1%、2%と、当初の期待より大幅に下回っている。
IMFは9日、欧州経済の心臓とも言われるドイツの今年の経済成長率の見通しを1.9%から1.25%に下方修正した。ドイツの輸出主導型経済にも米国や日本の景気鈍化が影を落としているのが、その理由。オイル高と狂牛病による物価上昇も経済の足元を引っ張っている。ロンドンとパリの株式市場は年初対比それぞれ11%と15%が落ち込んだ。
李鍾鎡 taylor55@donga.com






