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夏カゼと冷房病

Posted July. 08, 2001 20:42,   

「クーラーで風邪ひいたのかな」。

この一週間頭痛と微熱で苦しんだ会社員の李(イ、35)某さんは最近、クーラーのために頭を悩ましている。暑いのが苦手の李さんは、事務所や家でいつもクーラーの風を最大にしてつけるほどの「クーラー賞賛論者」。

しかし、ここ数日間は熱帯夜でなかなか眠れず、エアコンをつけたまま寝付いてしまったのがことの故だった。ずきんずきんと頭痛がして、微熱と筋肉痛の症状が続き、病院に行った。診察の結果は「冷房病」。

連日の蒸し暑さでエアコンを「乱用」したあまり、病院を訪れる患者が大いに増えている。冷房病はいったんかかるとなかなか治らず再発するケースも多いため、注意しなければいけない。

▲夏の風邪は犬もひかない?〓冷房機器をよく使用する人はもっとかかりやすい病気だ。「冷房咽頭炎」と呼ばれる夏カゼは冷房病の前兆。

初めは頭痛と発熱を感じる。ひどい場合は身体の免疫機能が落ち、喉周辺の粘膜が腫れて、筋肉痛などの症状がともなう。

暑い夏の日に外の気温より5度以上低いところで2時間以上過ごす場合は、注意したほうがよい。抗生剤や解熱剤で症状を鎮めてゆっくり体を休ませて、十分な水分を取るように心がけよう。

▲冷房病の原因と症状〓室内と外気の温度差で体がすみやかに対応できないことから発病する。室内外の温度差が5〜8度以上ある環境で長時間過ごすと、人間の体は自主神経の働きが故障しやすくなって生体リズムが壊れ、毛細血管の急速な収縮で脳や胃腸など主な器官の血行に障害が生じる。

症状は様々だが、呼吸器の異常を訴える患者が大半。クーラーなどの冷房装置は空気中の水分を冷却して室内の温度を下げるため、1時間以上連続して稼動させた場合は室内の湿度は30〜40%水準に急激に落ちてしまうのだ。この他に、△頭痛とめまい△全身がだるく、疲れやすい△関節および筋肉痛△消化不良と腹痛——などの症状が現れる。

オフィスで働く女性の場合は、特に要注意。女性は生理的に寒さに敏感な上に、暑い夏には薄着しがちなため、クーラーの冷風が皮膚に直接当たって冷房病にかかりやすい。女性の場合は月経不順と情緒不安定などの症状を見せることもある。また、年寄りは顔面神経麻痺などにかかることもある。

▲恐いレジオネラ症〓生命に致命的な冷房病の一つ。主にホテルとデパートなど大型ビルの中央集中型冷房装置に使用される不潔な冷却水に繁殖し、クーラーを通じて吐き出されて、伝染する。

空気や水滴の中に混ざっている細菌が呼吸器を通じて感染する。2〜12日間の潜伏期を経て、セキと高熱筋肉痛の症状が現れ、肺炎などの合併症まで生じることもある。症状が急速に悪化すれば、心不全、意識不明となり、死ぬこともある。少なくとも2週間に1回は、クーラーのフィルターを専用洗剤で洗うのが最善の予防策。家庭用のクーラーはそれほど心配しなくてもよい。

▲予防と治療〓冷房をつける時は室内温度を25度前後に維持し、冷房中に1時間ごとに換気したほうがいい。クーラー風が皮膚に直接当たらないように注意し、加湿器と一緒に使って約50%の湿度を維持するようにする。

一日中クーラーがよくきいているオフィスで働く場合、上着やひざを覆う薄いひざ掛けなどを準備しておくのも一つの手。カフェインが多量含まれているコーヒーや炭酸飲料の代わりに、暖かい水やお茶などで十分な水分を取るようにする。

ビタミンが豊富な果物をよく食べたり、規則的に体を動かして運動したりして、健康を管理する努力も忘れないように。

(アドバイス=三星ソウル病院家庭医学科ソン・ユンミ教授)



尹相虎 ysh1005@donga.com