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[オピニオン]女性科学者の雇用を増やせ

Posted July. 05, 2001 10:00,   

米国名門私立大学のプリンストン大では6月、新しい学長にシャーリチルマン博士が就任した。注目すべき点は、伝統的に男性中心の大学だったプリンストン大の新学長が、生物学を専攻した女性科学者だということだ。チルマン博士は、プリンストン大学最初の女性学長という栄誉を手にした。

韓国でも似たようなことが起こりうるだろうか。多分、その確率はゼロに等しいと思う。今も女子大学を除いた4年制大学の学長の中で女性はほとんど見当たらず、特に科学者は一人もいない。今後も当面は女性科学者が韓国の一般4年制大学で学長になるのは、難しいものと見られる。というのは、それだけの経歴を積んでいる女性科学技術者の数が少なすぎるからだ。現在、韓国の国・公立大学の理工系列の教授のうち、女性は理学系列が6.2%、工学系列が0.7%に過ぎず、自然系列を専攻する大学生の25%以上が女性であることを考慮すれば、極めて少ない状況となっている。

このような不均衡の原因が果たして、自然科学や工学に素質のある女性の数が少ないためなのだろうか。もっとも、物理学のような自然科学は、学問自体があまりにも男性的だという議論が昔から存在してきた。しかし、外国の例を見たり、我々の実状に目を向けると、韓国の科学技術専門家の性比の不均衡は、このような説明で合理化できるものではないことが分かる。たとえば、米国の場合、科学技術分野に携わっている研究員の3分の1以上が女性なのに対し、韓国は10分の1にも及んでいない。

また、韓国では女性科学技術者の割合が、専門性が高く経歴が多くなるほど、減っていく傾向を示している。つまり、学位取得者のうち、女性の割合は学士より修士、博士の方が少なく、卒業後、専門研究機関に携わっている女性の割合は、卒業生の比率よりも更に少なくなっている。このような統計は、女性科学技術者の就職において目に見えない壁が立ちはだかっていることを如実に示している。

さらに深刻な問題は、このような現実が有能な科学技術者の養成にも大きな障害となっているとのことだ。すでに、多くの先進国が経験したように、経済構造が先端産業中心に変わり、一般国民の生活が安定すれば、科学技術専門家の需要は増える反面、若者の希望職業が理工系より見た目に楽なサービス分野に集中し、科学技術者の需給に支障が生じる。

韓国でも最近、大学入試で自然系列を選択する受験生の数が急減し、2001年度の修学能力試験(日本のセンター試験にあたる)では30%にも及ばなかったように、すでにこのような現象が現われている。先進各国では移民政策などを通じてこのような専門家の不足現象を解決したが、韓国の場合はこれらの国とは社会、文化的な環境が異なり、潜在人口が多い女性科学技術専門家の拡充だけが唯一の方策だと思う。しかし、才能を有している多くの女子大生が、お手本にできる先輩女性科学技術者がいなく、将来の職業に対する不安感を募らせているため、科学技術者としての道をあきらめている。

ところが、未来科学技術の中核に浮上している情報技術、生命工学、極微細科学などは、女性ならではの繊細さと柔軟性が強みになれる分野であり、女性科技術者の参加の拡大が切実に求められている。したがって、ドイツのような先進各国でも女性科学技術者の割合を高めるための様々な施策を施行している。

今や、科学技術立国に向けた韓国の将来のためにも、大卒女性の経済活動への参加率が経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、最下位に止まっている汚名を返上するためにも、特段の措置が必要な時期にきている。

幸いなことに、7月1日から始まった第6回女性週間を迎え、科学技術部は国・公立研究機関と大学、政府出資の研究所で新規人材を採用する際、女性科学技術者採用目標枠を設ける方策を検討するなど、意欲を示している。もちろん、能力のない人が女性だという理由だけで採用されることがあってはなるまい。しかし、韓国の現実は、能力のある人が女性であるため、採用されない場合がより多くなっている。このような不公正の厚い壁を打ち破るためには、採用目標制度という衝撃療法が必要だ。

オ・セジョン(ソウル大教授・物理学、本社客員論説委員)