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[水曜プリズム]ストライキの正しい見方

Posted June. 19, 2001 10:26,   

6月15日、南北首脳会談1周年を記念して行われたCNNとのインタビューで、金大中(キム・デジュン)大統領は、韓国を民主国家、人権国家に作り上げていきたいという意志を改めて強調した。民主主義と人権への現政権の愛着は確かに特別なものがある。

ところが、会見の数日前、蔚山暁星(ウルサン・ヒョソン)工場で起きたストは、特殊訓練を受けた要員らによって40mの高空で武力鎮圧され、全国民主労働組合総連盟(民主労総)のゼネストには不法というレッテルが貼られた。これまで通り、マスコミはストを展開する組合側の暴力的なイメージを拡大することに焦点を当てた。ストを展開している労働者の真の要求と背景は、あまり報道されていなかった。一方、航空2社によるストによって足止めとなった乗客と輸出品、国際信認度の下落に対する行き過ぎた懸念、更に干ばつの記事が紙面を占めていた。もっとも大統領がストが発生する直前に「不法必罰」の指示を出したことに加えて、1億ウォンの年収をもらっている操縦士らがストの前面に出ていたため、国民が背を向けてもおかしくはない。

構造改革が遅々として進まず、経済は一歩先も見えない時であるだけに、ストが起こらないことに越したことはないが、労働者たちが一旦ストに踏み切った以上、その背景と理由をはっきりと示さなければならない。そうした後、非難をするなり、励ましの言葉を送るなりすることができるからだ。ストはない方が望ましいということを前提に二つだけ指摘しておきたい。

先ず、航空会社のストが果たして不法かどうかをめぐって、激しい論争が巻き起こっているということだ。現行の労働法によると、団体交渉が決裂する場合、10日間の冷却期間が過ぎた後のストは可能である。航空会社の労組はこの手続きを踏んだと主張している。しかし、政府がこれを不法として規定したのは、地方労動委員会の「行政指導」に基づいている。地方労動委員会が労組に出した「さらに交渉を続けるべし」という行政指針を無視したとのことだが、最高裁判所の判例を見ても法的拘束力が認められないというのが労働界の主張だ。つまり、行政指針を乱発することで合法的なストを不法に駆っているということだ。

必須の公益事業に適用される職権仲裁命令を違反した病院労組のストライキは明白な不法行為だ。現行では、去年発生した病院の集団的なストのように、大きな混乱が予想される場合に職権仲裁命令を出すよう限られている。しかし今回は、政府が事態の悪化を恐れて早めに手を打ったのが問題だということだ。他の部門と違って24時間体制で運営されなければならない病院の特殊性のため、経営者としては困難な点がたくさんあると思われる。一方、組合側では、少し不便だという点を除けば、病院のストで医療サービスが完全に中断されることはほとんどないと主張している。必須の公益事業の範囲があまりに広いのも問題とされ、国際労働機構(ILO)では範囲の縮小を既に韓国政府に勧告した状態となっている。

第二に、観測以来90年ぶりの干ばつで韓国全土が苦しんでいるときにストに踏み切ったことは腹立たしいことではあるが、原則として干ばつとストとは関係がない。用水は農民の命の網であり、ストライキは労働者の生存権だ。「構造調整は失業に直結する」という認識を強く持たせた政府政策がストのターゲットであるなら、干ばつ克服のポイントは未来に対応した体系的な水管理であろう。4月初めごろから農民は干ばつを憂慮してきたにもかかわらず、断水や節水キャンペーンは一度もせず、今になって大騒ぎする政府の態度が問題といえば問題だ。この数日間相当量の雨が降ったため、さらに政府は何も言えなくなった。

同じ操縦士なのに外国人は1億7000万ウォン、韓国人は1億ウォンと言うと誰もが不満に思うだろう。外国人教授を10万ドルに採用するという話に年収4000万ウォンの「優秀な」教授たちが憤ったという。賃上げを掲げているストの本当の理由は、プライドの回復という側面が強い。会社側が組合に対して譲歩する姿勢を示さなければ、ストに突入するのがこれまでの通例だった。給料以外の手当引上げを過度に求める背景には競合社とのプライド合戦ともいえる。

社会的な非難を意識したせいか、大韓航空の労組はストの翌日、年俸引上げ要求を取り下げた。その代り、安全運行遵守委員会に労使が同数で参加することを求めた。労働者の経営への参加を積極的に支援するというのは大統領が掲げた100の公約のうち8番目のものだった。そのため労働者たちの票が集まったのだろう。経営参加の拡大が経済回復に必ずしも役立つとの保障はないが、韓国のような状況では、これが民主主義の発展と正確に合致している。この公約を守れない時は、納得のいく説明があるべきだ。ことある毎に、民主と人権の尊さを主張する親労働政権と、一方でスト嫌悪に陥っている中産階級と高所得者に挟まれたマスコミは、このように労働者の口を噤ませているのだ。

ソン・ホグン(ソウル大学教授、社会学)