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[社説]「小泉政権」に対する期待と懸念

Posted April. 25, 2001 17:25,   

日本の小泉純一郎・前厚生相が、自民党の議員総会で新総裁に当選し、近く総理指名選挙を経て日本を率いて行くことになる。「改革と破格」というイメージで政権をつかんだ小泉総裁は、この十年以上「沈滞と退歩」を続けるかのような日本を一新させうる人物に選ばれたのだ。

今回の選挙は、自民党の総裁が根回しによって選出されるという過去の通念を破ったケースだ。小泉の当選は、自民党の改革と、景気浮揚を訴える声が大きく反映された結果といえる。森総理の退陣をめぐる攻防によってできた政治的空白、先が見えない暗い「経済的トンネル」のようなものが小泉政権を誕生させたことになる。

総裁選での公約どおりに、根強い派閥間の案配、当選回数を重視した人事慣例を打破し、彼はすぐにもドリームチームを構成するのかが、大きな関心事だ。党内の和合という名目で、党三役と閣僚の人選において派閥の要求を受け入れるようなら、彼の支持者は大きく失望するだろう。そうなれば、改革とともに「安定した強い政府」を望む日本人の夢とはかけ離れることもありうるだろう。

小泉政権に対する韓国の視角は、期待と懸念が入り組んでいる。彼の改革性向、「開かれた政治家」のイメージが、日本の政治家たちの歴史認識と妄言を遮断して、韓・日友好に寄与することという期待がある。しかし、票を獲得するために総裁選挙で見せた彼の言動は、韓・日関係の将来を深刻に懸念させるものだった。

彼は安保、憲法、理念などの分野ではっきりした保守的色合いをあらわにし、保守競争を主導した面がある。「日本が集団自衛権を行使できるようにする」「21世紀に合った憲法の改正を早期に実現する」と公約した。ひいては、戦犯の位牌が祭られた靖国神社に「総理として参拝する」とも公言した。最近、韓・日間の外交問題に発展した教科書問題についても、彼は「韓国の干渉は不当なものだ」と述べたりもした。

彼が彼の言葉どおりに実践するとしたら、韓・日、韓・中関係などの東北アジアに大きな嵐が吹き荒れるしかないだろう。日本の「失われた十年」を回復させる使命を帯びた「小泉政権」が、開かれた世界観、近隣重視を忘れ、ややもすると自閉的で国粋主義に流されてしまい、隣人を否定するようなことになれば、それは日本はもちろんアジアの不幸といえるだろう。