韓国政府が来月の施行に向けて導入を急いでいる新聞告示は、時代に逆行する制度だ。規制緩和の次元から、すべての分野が自由化されている流れの中で、唯一マスコミ市場のみ規制が強化されるのは理解できない。
公正取引委員会が確定した新聞告示案は、外見は公正取引という名文を立てているが、実際は新聞の販売、広告、インサイダー取引などに対する規制一辺倒の刃をかざすものだ。この告示が施行されると言論の自由競争ムードが大きく萎縮し、読者の新聞選択権が制限を受けるしかない。
まず、新聞社の支局にライバル新聞社の販売を許す部分は、事実上、新聞共同販売の道を開くもので、新聞の個性を弱くさせるしかない。何よりも新聞社が流通部門に従属されることになり、結果的には言論の自由を萎縮させる可能性が高い。政府の胸先三寸で、いつでも流通会社を統制下に置くことができ、そうなると流通会社は特定新聞の販売を中断する可能性も高い。固有の販売組織を持っている新聞社の豊富な経験とノウハウを侵害することにもなる。
市場への支配力が大きいため、独・寡占になりがちな新聞が、新聞の販売価格と広告料を吊り上げるのを防ぐという発想は、市場経済と自由競争の原理に全面的に反するものだ。広告の場合、強制的な割り当てを行うしかない。
不当競争を和らげるために作成したという告示が、むしろ正常な競争を遮断する方向に作用する可能性が大きいのだ。
それにもかかわらず、新聞告示に固執する政府の意図が疑わしい。我々は、この作業がマスコミの税務調査、公正取引委員会の調査、新聞社の支社・支局への各種調査の拡大、現場の記者に対する銀行口座の追跡疑惑などとつながる、巨大な言論掌握のためのシナリオの一つではないかという危惧をぬぐえない。
結果的には政府の気に入らない新聞の組織力と影響力を弱くし、全ての新聞を縮こまったものにしようという意図があるのではないか、と問いたい。
新聞市場だけの寡占を解消するため、別個の条項や特別法を作るのは、憲法第37条の第2項に定められた過剰禁止の原則に反すると、言論学者たちは指摘する。違憲の可能性までもあるなど問題も多いうえ、新聞業界の意見もほとんど反映されていない、新聞告示の導入計画は、即刻撤廃されなければならない。
我々は特に新聞告示を含む最近の政府のさまざまな政策が、市場経済の核心である能力と自主性を無視したまま、過度な機会均等だけを強調しているのではないかという懸念を拭い去ることができない。






