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[社説] 医保実情の白書を発刊せよ

Posted March. 22, 2001 18:23,   

金大中(キム・デジュン)大統領は21日(水)、健康保険財政の破綻の責任を問い、崔善政(チェ・ソンジョン)保険福祉相を更迭した。来週の国政刷新のための改閣が取りざたされる中で福祉相を慌てて更迭したのは、どんな手を打ってでも医療政策の失敗に対する国民の不満と不安を、早期に遮断するという政府の意志の表れだろう。しかし健康保険財政の破綻は、政策の失敗によるものだ。長官一人の更迭で解決するだろうと思ったら大間違いだ。退任する崔善政長官が過ちを認めて述べたとおり、医療保険は数十年間の「低報酬価格・低給与・低負担」という虚構の構造だった。この医療保険が健康保険に無理矢理統合されて保険財政が脆弱になったのはもちろんだが、準備不足の医薬分業の強行が保険財政の破綻を招くことも目に見えていたことだった。

それなのになぜこうしたことが起きたのだろうか。新任の金元吉(キム・ウォンギル)長官は、「とりあえず不渡りの危機は避けなければならないので、まず財政から支援するのは避けられない」とし、その場しのぎの対応より根本的な処置を提示すると明らかにしている。しかし根本的な処置は、最終的に健康保険財政の破綻の原因を割り出して初めて可能なことなのに、その原因と責任問題が複雑なのだ。もちろん論理はどうであれ、保険統合と医薬分業を強引に陣頭指揮した車興奉(チャ・フンボン)、崔善政の二人の元長官は責任を免れないだろう。保険統合と医薬分業を実施しても国民の追加負担はないと判断したのであり、強引な推進に反対する高位高官を免職までしていたことは批判されるべきことだ。しかし本当に理解しかねるのは、政策決定の過程である。

今は福祉省が保険財政破綻の責任を転嫁しようとしている局面である。はたして政策政党である与党や青瓦台(大統領府)、行政府が、政権的次元の改革である医療政策に全く関与していなかったのだろうか。「大統領選の公約だから政界において決められた」という話まで出ているのである。さらに最近与党と政府は、保険財政の破綻の原因に医薬談合や保険料の過剰請求のような医薬界の非道道徳性も挙げている。無責任な発想だ。医師協会は医薬分業の施行前にストを行ないはしたものの、同時に分業施行前の年間4兆2000億ウォンの追加財政の必要性を提示

し、「補完後の施行」を主張していた。

医療政策の失政は、政府の総体的な政策機能麻痺の結果である。このような間違った政策が繰り返されてはならない。誰が何をどう間違ったために、こんな事態になったのかを追求するのが重要だ。政府は医療保険の失政白書を発刊し、「失敗の教訓」としてかみ締めなければならない。