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『友達』裏切られても友達の彼らのストーリー

『友達』裏切られても友達の彼らのストーリー

Posted March. 22, 2001 19:13,   

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1974年、釜山(プサン)でいつも一緒に遊びまわっていた彼らに偏見なんてものはなかった。勉強ができてもできなくても、裕福であろうがなかろうが、彼らは皆「友達」という言葉で固く結ばれた仲間だった。しかし高校生になった頃から、彼らの間には溝が深まり始め、高校を卒業してからは越え難いコンクリートの高い壁がそびえ立つようになった。成績の差で、あるいは家庭の事情で、それぞれの道を歩み始めた4人。彼らは最後まで永遠の友情を残すことができるだろうか。もしかしたら高校時代、塀につかまって「お前はお前らしく生きろ。俺は俺らしく生きるから」と叫んだ瞬間から、彼らは既に他人だったのかもしれない。

喧嘩が強く根性がしっかりしたジュンャN(ユ・オャ?、ジュンャNには負けるものの、それなりに喧嘩には自信があるドンス(チャン・ドンゴン)、ガリ勉の優等生サンテク(メEテファ)、どこにでも口を突っ込むお調子者のジュンホ(ジョン・ウンテク)。この4人は、川で顔を洗った瞬間、消毒車の後を追いかけながら手を振った瞬間、アマチュアロックバンドのボーカル ジンスク(キム・ボギョン)に片思いした瞬間など、貴重な人生の瞬間を共にしている。しかし90年代の彼らは、お互いにあまりにも縁遠い存在となってしまった。「友達」の彼らは「友達っていう漢字には、『幼なじみの友』という意味がある」と言いながら、自分たちがいつまでも友達であり続ける事を強調するが・・・。

監督の分身でもある『友達』の話し手サンテクは「同じ道を歩んでいたジュンャNとドンスが、ある瞬間から他の道を歩き始めた」と思いを巡らす。違う組に属していたジュンャNとドンスはまさかと思っていた殺し合いをすることになる。

彼らの葛藤は映画の半ば以降から、少しずつ浮き彫りになっていくが、ここからがこのヤクザ映画の見せ場だ。「俺はお前の何なんだ?子分か?」と言いながらジュンャNにからむドンスは、友達に対するコンプレックスを乗り越えることができず、結局ジュンャNの敵になることを自ら選択する。この映画はこの2人の葛藤をドラマチックな話法で描写し、映画の緊張感を最高潮にまで引っ張っていく。幼なじみの友情を描いた映画はこれまでも数多くあったが、『友達』程、それを韓国的なアクションとヒューマンドラマに仕立て上げた映画は珍しい。

ユ・オャ唐フ最後の台詞からも察する事ができるが、『友達』は最後まで「恥部を魔ゥれないように」努力した痕跡が感じられる映画だ。無骨な釜山の男を演じるチャン・ドンゴンの演技もそう悪くはないが、ユ・オャ唐フ演技は人間のマジノ線すら飛び超えたかのような狂気を帯びている。スクリーンにユ・オャ唐ェ映ると、自然と体内に火花が散るような感じを覚えるが、そうさせる力の根元はなんなのだろうか?それはユ・オャ唐セけが作り出せる「神秘のエネルギー」かもしれない。韓国映画界はこの作品で素晴らしい俳優をまた1人手に入れた。



ファン・ヒヨン記者 benotbe@donga.com