
暖かい南の海の深さ数百メートル付近に棲息している鱈(たら)。韓国語では‘大口(テグ)’という。頭と口が大きいということから付けられた名前だ。この魚は脂肪が少なく、生臭さもほとんどないため、水煮やメウンタン(メチャ辛鍋)など、韓国固有の鍋物の材料によく使用されるが、嶺南(ヨンナム)地方では‘ポルジム’、‘ポルグク’などの頭を使った料理が人気がある。
京畿道(キョンギド)城南(ソンナム)市盆唐(ブンダン)区庁前にある「ジャンガネボルテギ」(031-706-0038)は、鱈の頭専門料理店だ。メニューはへジャンクッ(具の多い辛いスープ)(5,000ウォン)を基本に、蒸し料理、鍋料理(2〜3万ウォン)など、ごくシンプル。メインとなる材料は鱈の頭だ。頭の中で一番肉の多い部分である‘頬(ボル)’を慶尚道の方言では‘ボルテギ’というが、店の名前の‘ボルテギ’はそれから由来している。
鱈の頭を丸ごと入れ、大根、ネギ、唐辛子などと一緒に煮たへジャンクッを食べていると、思わず「シウォナダ」という言葉が出てくる。シウォナダとは直訳すれば‘涼しい’という意味だが、韓国では熱いスープや辛いスープを飲んだ時にこのような表現をする。韓国ではこのようなスープを二日酔いの時によく口にする。
真っ赤な‘唐辛子味噌ソース’を鱈の頭と豆もやしの上にたっぷりかけた蒸し料理は、辛さはそれ程強くないが、唐辛子のピリピリした辛さが舌の先に残る。一度口に入れると箸を置くことができなくなる美味しさだ。大きな皿に盛られて出てくるこの蒸し料理は、人工調味料を全く使用せず、昆布やワカメなど20種類以上の天然調味料が使用されている。
皿一杯に盛られた豆もやしは黄土、万年茸、天然炭などを使ってろ過した水で育てられたもので、1本1本が驚く程太い。この店はこの無公害の豆もやしの栽培法を特許出願済みであり、京畿道の保健環境研究院からは無農薬判定も受けている。
鍋料理には鱈の頭にセリ、大根、ネギなど10種類の野菜が入る。メイン材料の鱈は、釜山船籍の遠洋漁船がニュージーランドの海域で捕ったもので、零下40度で急速冷凍したものを輸入し、頭だけを切り取って、残りは日本など海外に加工輸出している。
250席余りの盆唐本店は食堂の一角に5坪余りの「子供用遊び場」があり、駐車場も乗用車100台を収容できる程広い。美味しい店として既に有名であるため、予約をしないと並ばなければならない。年中無休。
朴喜梯(パク・ヒジェ)記者 min07@donga.com






