先日、米国の富豪達がブッシュ政府の相続税の廃止方案に歯止めをかけたとのニュースは韓国社会としてはショックとしか言いようがなかった。
ビール・ゲーツ、ウォーレン・バーフィット、ジョージ・ソロスなどの世界一の富豪120人が相続税の廃止に反対する理由は「富の偏重が激しくなる」とのこと。彼らの心配は、相続税の廃止が米国の寄付文化に致命的な打撃を与えるとまで発展する。高い相続税を避けるために慈善金を多額寄付してきた米国富豪の伝統が無くなるとのことだ。
国内でも90年代に入ってから企業の社会貢献活動が活発になりつつある。全経連が99年末に行なった調査の結果は、企業の寄付活動の相当部分が企業財団を通じて行なわれてきたことがあきらかになった。企業財団の総事業費の規模は、95年の4115億ウォンから99年の1兆7000億ウォンに増えた。お金の使い道は文化施設の建立、社会福祉、学術や教育振興などが中心であり、芸術やスポーツに対する支援も盛んである。
全経連の別の調査でも、応答企業147社の半分以上が経常利益の1%以上を社会貢献活動に使っており、5%以上を支出する企業も30数社に及んでいることが分かった。従業員のボランティア活動などの人的交流を通じた貢献活動も増えつつあるという。
実際、韓国企業も多額を寄付している。国家全体の寄付額の中で企業の寄付額が占める割合が、アメリカの25%(98年基準)に比べ、韓国は60%である。個人に比べ、相対的に多額を寄付しているとの意味だ。
しかし、企業を見る韓国の目は以前として冷ややかだ。何故だろう。イ・サンミン三星経済研究所首席研究員は「現在、韓国企業においての慈善とは、否定的な世論を無くすために渋々行なう「準租税的な慈善」かオーナーの誇示的な慈善が多い。つまり、自発性・持続性・専門性が欠けている」と指摘する。
また、企業人が公共性を持つ法人と個人間の関係を混同し、個人の寄付は行なわず、公益財団の設立を通じた企業の寄付しか好まないことも、寄付文化の定着を妨げる問題点だという。
そのため、全経連が3月14日に発足する予定の「全経連1%クラブ」は、別のレベルでの寄付の仕方として期待を集めている。経常利益の1%以上を社会貢献活動に支出する企業人の集まりである「1%クラブ」には、現在、現代アサン、三星、LG、SK、浦項製鉄(ポハンジェチョル)、東亜製薬、ハンファ、ユーハンキンバリーなどの88社が加入を申し込んでいる。
李研究員は、企業の社会貢献が活性化するためには「企業が寄付や社会貢献が『信頼』という社会的な資本を作り出す社会的な投資であることを認識し、慈善活動も特化された領域で焦点を合わせるなどの戦略を立てる必要がある」と指摘した。主に教育に寄付しているビール・ゲーツ、全世界の民主化闘争に寄付しているジョージ・ソロス、環境運動に寄付しているテッド・ターナーのように、韓国の企業にも「寄付=投資」という見方を持ってほしいのだ。
「企業寄付の活性化出来るインフラも構築されていない状態で寄付を勧めることはせっかちすぎる」と指摘する朴憲俊(パク・ホンジュン)延世大経営学教授は「寄付金に対する税制減免などの法の制度も不十分であるが、特に文化的なインフラも変わらなければならない」と力説した。韓国では外国のように寄付者の名前から名付けた建物や奨学金も見当たらないが、これは韓国的な文化に因るものだという。






