コリン・パウエル米国務長官が7日の韓米外務長官会談で、米ボーイング社のF15K戦闘機に対する「広報性発言」をしたことが分かり、米国の韓国に対する兵器購買圧力が改めて浮き彫りになっている。
一部では既に「伝統的に軍需会社と密接な関係にある米共和党政権が、韓国をはじめとした友好国に対し、兵器購買の圧力を露骨に行使してくるという懸念が現実になっている」との話も出ている。
兵器導入事業は経済及び技術的要素だけでなく、政治状況まで考慮に入れなければならない複雑極まる問題。それだけ外交や政治交渉の対象となりやすい。米国の韓国に対する兵器購買圧力の実状と政府の対応を探る。
▽韓国は最高の兵器輸出市場
ジョージ・W・ブッシュ政権の兵器購買圧力に対し、韓国国防省の関係者らの反応は大抵「日頃からの話」というものだ。兵器輸出は軍需会社にとって死活をかけた事柄である上、米国は軍事同盟関係を利用し、韓国兵器市場において独占的地位を確保してきたからだ。
今年中に次世代戦闘機(FX)、次世代攻撃ヘリ(AHX)、次期対空ミサイル(SAMX)など、それぞれ数兆ウォンに達する大型戦力増強事業の機種選定を控えている韓国としては、米国、ロシア、フランスなど各国のし烈なロビーの場とならざるを得ない。
特にFX事業の有力な候補機種である米国のF15に対する購買圧力は始まってから久しい。
99年10月ワシントンで開かれた韓米年次安保協議会議(SCM)で当時のウィリアム・コーヘン国防長官は突然、「連合作戦では相互運用性(inter operability)が重要である」としながら露骨に米国防衛産業物資の購買を要求した。
先月29日には米ボーイング社のジェリー・ダニエルス防衛産業部門社長がケリョンデ(軍部隊)を訪問し、陸軍のキル・ヒョンボ(吉享宝)、海軍のイ・スヨン(李秀勇)、空軍のイ・オクス(李億秀)参謀総長などを立て続けに会った。3軍の総長が一斉に米防衛産業会社の代表と会ったのは、米国の影響力を象徴する。
▽機種選定延期は苦肉の策か。
国防省は昨年11月3日、次期潜水艦(KSS2)事業の機種をドイツの214潜水艦に決定したと発表した。既にだいぶ前に機種は決まっていたが、フランスとの外交関係を考慮し、発表したのだった。実際、アジア・ヨーロッパ首脳会議(ASEM、10月20〜22日)に参加したジャーク・シラク仏大統領は、フランス潜水艦の購買を強く要請したという。
来月初めに予定されている韓米首脳会談でもFX事業など韓国の戦力増強事業は「水面下の最大懸案」になるとの見方が大勢を占めている。自然、政府の悩みも深いはずだ。政府としては今年が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する政策を巡って韓米関係の枠組みを新たにする重要な時期であるからだ。
政府は当初7月(FX)と9月(AHX)に予定されていた機種選定時期を年末へと持ち越す一方、SAMX事業の見送りを検討している。兵器導入事業を通じて韓米間の対朝共助を有利な方向へ導きながら値段の引き下げを図るなど、多様な効果を狙った布石といえる。
政府関係筋も「大型兵器導入事業は、我々が活用できる唯一のカードではないか」と打ち明けている。