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[社説]権力の道、言論が進むべき道

Posted February. 08, 2001 11:13,   

盧武鉉(ノ・ムヒョン)海洋水産相が、先日マスコミ各社に対する税務調査について発言したが、彼が現政権の国務委員長であると同時に、政権与党において彼が持っている政治的影響力などから判断して、単なる私見に過ぎないとは言いにくい。しかも盧長官の発言に対して相当数の与党議員が賛成しているところを見ると、盧長官発言は現与党が持っているマスコミ観が浮黷スものではないかと思える。

もしそれが事実なら、危険な発想であるといわざるを得ない。盧長官は「政権は言論に対して宣戦布告を辞してはならない」と主張した。「宣戦布告をすべき」とは、言論と政権が敵対するものだと言うのだろうか。

権力を牽制し、批判し、裁くことは、言論の役割から外せない重要任務だ。それは単に情報伝達のみに留まることができない民主主義における言論の基本的価値でもある。勧力と緊張関係を堅持してこそ価値がある言論を敵対視し、戦争相手として見るというのは、「言論の自由を認めない」と言うのと等しい。

金大統領が年頭記者会見で「マスコミ改革」を強調したのに続くマスコミ各社に対する税務調査を巡って野党が、「言論弾圧である」として中断を要求した。しかし、その裏には政権の「言論飼いならし」の意図が潜んでいるのではないかという疑惑が付きまとう。これは、政府が最近強調している「強い政府」「強い与党」がその名分とは裏腹に、「力で押し切る政治なのではないか」という社会一般の懸念があることを与党は知るべきである。盧武鉉長官の発言どおり「意図のない税務査察」 がありうるのかということである。

その上、一部の公営放送の歪曲報道などを取り上げ、まるで全てのマスコミが脱税や違法行為を働いている「犯罪集団」のようにまつり上げ、国民が余計な不信を持つように操作する最近の雰囲気には不安を持たざるをえない。また、万が一現政権がマスコミ各社に対する税務調査を、政治的に悪用する意図があったり、いわゆる不当な「言論飼いならし」の意図を持っているとしたら、断じて許さない。

もちろん我々は国税庁の税務調査だろうと公正取引委員会の一斉調査だろうと、法に基づいて手続きを踏んだ政府の調査を受けいれることに異議はない。調査の結果、問題が明らかになった場合、法に従って厳正に処分されるのも当然のことである。

今まで我々は税務調査を受ける言論社として、考えを明らかにすることを控えてきた。繰り返すが、税務調査だろうが公取委の調査だろうが、法に基づいて公正に行うなら受け入れる。我々はこの機会に、権力を牽制し、批判し、裁く言論の正道を歩んでいくことを、読者と国民にあらためて約束する。