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[社説]ブッシュ号の出航と新世紀の地球村

Posted January. 21, 2001 19:43,   

米国の第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ・元テキサス州知事が20日に公式就任し、唯一の超大国を率いる新たな指導者が誕生した。米国民はもちろん、世界各国が米国の新政府に格別の期待を寄せている。

ブッシュ大統領はこの日、就任の挨拶で「自由と民主主義に対する米国の信念は、人類の希望である」と述べた。また「米国と自由を脅かす敵は過ちを犯してはならない」とし、「我々に対する攻撃と不順な意図には決然として立ち向かう」と強調した。ブッシュ大統領のこれらの発言は、米国は世界の問題の解決により積極的に取り組むという意志を明らかにしたものだ。

確かに21世紀を迎えた「地球村」は、冷戦国「は消滅したとは言え、局地的な紛争やテロ、宗教的な摩擦、飢餓、環境問題などで多くの試練に直面している。これらの問題に対応していくためには、何よりも世界各国の協力体制が必要だが、唯一の超大国となった米国の役割はます

ます大きくなっている。その意味でブッシュ政府が世界問題の解決に強力なリーダーシップを発揮して取り組むことは、歓迎するべきことである。

しかし一方では、そのリーダーシップが超大国の国益優先主義に走ることにならないかという懸念の声もなくはない。米国の新政府が主張する「力の外交」が、国益優先の手段に転落した場合、米国は自ら対抗勢力を作る結果を招くかもしれない。ブッシュ大統領が強調してきた「国家ミサイル防御(NMD)体制」や「戦域ミサイル防御(TMD)計画」に対する中国、ロシア、北朝鮮等の動きを見れば、すでにその可柏ォが浮黷トいるといえる。我々がNMDやTMD問題については慎重にアプローチする必要があるとブッシュ政府に注文する理由も、まさにそのためである。

とりわけ朝鮮半島はブッシュ政府の「力の外交」に最も敏感な地域だ。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が米国の新政府の誕生に合わせて中国を訪問したことや、数日前にコリン・パウエル新国務長官が上院での聴聞会で明らかにした「米国の対朝政策の再検討」と「現実主義・相互主義」の発言が呼んだ波紋だけを見ても、その敏感さを実感することができる。

国際政治の舞台では「新人」のブッシュ大統領は、世界各国の指導者たちとできるだけ会い、それぞれの意見を傾聴するべきだろう。朝鮮半島問題についてはなおさらである。それが「地球村」の平和のために正義のリーダーシップを発揮できる道だろう。