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[社説] 新時代を迎えた朝米関係

Posted October. 24, 2000 19:03,   

新時代を迎えた朝米関係

マドレン・オルブライト米国務長官の歴史的な平壌(ピョンヤン)訪問で、朝米関係の新しい時代が始まった。両国関係の正常化を妨げていた諸懸案が今回のオルブライトの北朝鮮訪問によって大部分解決した模様だ。金正日(キム・ジョンイル)総書記の電撃的なペクファウォン招待所訪問で始まった金総書記とオルブライトの二度に渡る会談は、包括的な合意があったと推測される。

北朝鮮のミサイル輸出問題は米国の対朝経済支援という形で、そして米国本土への攻撃が問題になっていた長距離ミサイルの件は、衛星の打ち上げを支援するラインで双方が妥協点を見つけたと報道されている。朝米間連絡事務所設置の問題については、さらに一歩発展して代表部設置の方向で合意したとの推測が有力だ。米国の北朝鮮に対するテロ支援国解除問題についても金総書記はオルブライトから何らかの確約を取りつけた可能性が大きい。

クリントン大統領の北朝鮮訪問も今では楽観視されている。米国側ではまだオルブライトの報告を聞いてからクリントンの訪朝時期が決まると発表しているが、平壌からはできるだけ早いうちに訪問が実現するよう努力するという合意説が聞こえてきている。

もちろん朝米関係のこの急転ムードは米国内事情に影響されるかもしれない。クリントン政府の北朝鮮に対する破格的な歩み寄りについて、米国内の反発ムードも無視できない状況だからだ。特にオルブライトが金日成主席の墓所を訪問したことなどの平壌での行動に対して、米国内の保守陣営側の批判も侮ることはできない実情だ。そこに大統領選挙という変数が加わり、朝米関係の方向を現段階で断言するのは当面難しいという側面もある。

しかい我々は北朝鮮と米国が互いに信頼関係を築き、それが結局それぞれの国益のための道であることを確信できたとしたら、両国関係の正常化に大きな問題はないと考えている。そして朝米関係の正常化は朝鮮半島情勢において間違いなく追い風になると信じている。

ただ心配なのは、万が一朝米関係が及ぼすかもしれない否定的な波である。特に平壌当局が朝米関係の進展を南北関係に利用しようとしたり、あるいは完全に南北関係を度外視する政策に向かうことは絶対にあってはならない。米国も常にそれらの可能性を念頭に置いて北朝鮮を相手しなくてはならない。朝米関係の進展はあくまでも南北朝鮮関係を基盤としてのみ可能だという事実を北朝鮮、米国とも肝に銘じなければならない。