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クリントンに会った趙明祿

Posted October. 11, 2000 13:03,   

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のチョ・ミョンロック(趙明祿) 国防委員会の第1副委員長は、10日、北朝鮮の第2人者としては初めて、アメリカ本土を訪れ、アメリカの大統領に会う歴史的な会談を行った。チョ副委員長は、この日、国家元帥級に相当する礼遇と共に、ホワイトハウスへクリントン大統領を歴訪し、1時間あまり両国の懸案について協議をした。

○8日アメリカに到着して以来、紺色の背広姿で活動していたチョ副委員長は、10日の午前、ホワイトハウスへ向かう時は、人民軍の階級章がはられてある軍服に着替えた。

チョ副委員長はこの日の午前8時半、オルブライト長官との懇談のために国務省を訪問する時までも紺色の背広姿だったが、40分あまりの懇談を終えては、再び国務省のビルに入り15分後には軍服に着替えて、クリントン大統領との会談場所へ向かった。

チョ副委員長が軍服を着てクリントン大統領を歴訪したのは、彼が金正日総書記の親書を通じて提起した米朝の関係改善を軍も強く支持している姿勢を示唆するためのものと、関係筋は分析している。

○チョ副院長は、当初午前9時15分からクリントン大統領を歴訪する予定だったが、オルブライト国務長官との懇談が長引いた上、服の着替えに時間を費やし、午前9時35分頃ホワイトハウスに向かった。

クリントン大統領は、チョ副委員長の訪問が予定よりもだいぶ遅れたにも関わらず、1時間ほどの間会談した。

北朝鮮のチョ・ミョンロック国防委員会の第1副委員長は、飛行機内の迎接や空港でのVIPループ使用、厳しい警護などすべてにかけて国家元帥級に相当する礼遇の中で9日ワシントンに到着し、公式日程に入った。

○チョ副委員長一行は、9日午後7時6分、ユナイテッドエアーラインの806便でワシントンのダラス空港に到着し、アメリカの国務省の官吏たちの機内迎接を受けた。

国務省は、チョ副委員長一行を航空機のすぐ側に待機させていたバスでVIPルームに案内し、一般乗客らが使用する出口を通じず、容易に入国手続きが終えられるように配慮した。

○チョ副委員長一行は、午後8時15分、ワシントン市内にあるメイフラワーホテルに到着した。警察オートバイの警護の中で到着したチョ副委員長が、キャデラック乗用車から下りると、玄関で待っていたウェンディー・シャーマン対北政策調整官が、握手とともに「お会いでき嬉しいです(Good to see you)」と挨拶した。シャーマン調整官は、チョ副委員長より40分も早くホテルに到着して待っていたのである。

チョ副委員長は、待っていた韓国記者らの「会談が成功すると思いますか」という質問に「はい」と短く答えたが、到着した感想などを聞く質問については答えなかった。しかし、彼は軽く微笑んだ表情で報道陣に向かって手を振りながら挨拶し、写真取材のためのポーズを取るなど、比較的明るく余裕のある感じだった。

○米国務省は、チョ副委員長一行の警護上の問題を懸念してか具体的な日程については一切口を閉ざしていた。国務省の中国系官吏であるエドワード・トン韓国課長は、報道陣の英語による質問に対して、中国語で「わかりません」と答えるなど、ほとんどの国務省の関係者は、米朝会談の細部日程や議題などについてはノーコメントで一貫している。

国務省は、報道陣、中でも韓国の特派員に対してはホテルの出入りを徹底的に遮断した。

○チョ副委員長が北朝鮮の高官としては初めてワシントンを訪問した9日は、あいにくアメリカ新大陸を発見したクリストファー・コロンブスを記念するコロンブスデーである上に、泊っているホテルが最初の清教徒たちがアメリカへ移民したとき乗ってきた船のメイフラワー号と同一の名前であることから話題になっている。ワシントンの外交街では、「米朝関係の新しい局面を開く事になるチョ副委員長が、コロンブスデーにワシントンを訪問し、メイフラワーホテルに泊ったのは偶然にしては、あまりにも象徴的な意味合いが大きい」として、今会談が成功する兆しではないかと解釈している。