Go to contents

コール金利なぜ引き上げ

Posted October. 05, 2000 20:01,   

金融通貨委員会の今回のコール金利引き上げは、通貨政策当局が市場不安の鎮静した隙を突いて、今まで引き延ばしてきた物価目標維持という宿題をいち早く果たしたものと受け止められる。消費者物価は国際原油価格急騰で9月中に前月対比1.5%上がるなど、4ヶ月連続大幅な上昇を続けている。このような状況で金融不安のために対応を引き続き遅らせた場合、通貨政策に対する不信からインフレ心理が高まり、金融市場の安定にもかえって悪影響を与えることを憂慮したため。

幸いにも最近、金融市場が微かではあるが安定基調を見せており、国際原油価格も一時の急騰の勢いが収まり、金利引き上げの機会が作られた。また先月、金利引き上げを防ぐために、様々な経路で金融通貨委員会に圧力を行使したという非難を浴びた財政経済省も、今回は金融通貨委員会を刺激しないために格別神経を使っているようだ。

韓国銀行は、今回金利を小幅ながら上げたことにより、金融不安をあおるのではと細心の注意を払った。今回の金利引き上げが市中に、豊富な流動性を吸収し、総需要を増やす通貨緊縮に立ち返ったことを意味するのではないという点を何度も強調しているのがその端的な例だ。実際この日の金利引き上げは市場にすでに相当部分反映された状況で、金利は下がり、株価は上がるなど金融市場は大きな影響を受けなかった。

このために市場関係者と専門家は、今回の金利引き上げは物価に対する通貨当局の意志を見せるもので、それ以上でも、それ以下でもないという冷静な反応を見せており、一部の債権ディーラーは時期を逸して、格式だけ整えたコール金利引き上げだとし、その意味を過小評価している。

三星(サムスン)投信運用のある債権ディーラーは、コール金利が0.25ポイント引き上げられるだけで、今後の物価不安を完全に消し去るのは難しいと評価した。

韓国開発研究院(KDI)のある研究員は、物価を押さえるために短期金利を引き上げたのは評価されるべきものだが、引き上げ幅が小さく、市場に大きなシグナルを送れないようだと述べ、信用不安に対する懸念が高く、コール金利引き上げで、長短期金利の格差の解消と短期資金化の改善という二次的な効果を期待するのは難しいと語った。

一方、韓国銀行のチョン・チョルファン(全哲煥)総裁もこのような世論を意識したかのように、一度の引き上げで物価不安に対応することができるかと述べ、構造改革完了で市場が安定する年末か来年の初め頃に再び、金利引き上げの必要性を示唆した。