Go to contents

[社説] 文化予算1兆ウォンを超えたというが

Posted September. 28, 2000 11:59,   

来年度の文化予算の1兆404億ウォンという金額は、政府予算の全体からすると1%弱に過ぎないが、ひもじい文化界としては大金である。文化観光部の関係者らも文化予算に関する話になると、自信に満ちた表情になる。それもそのはずが、今年の文化予算が初めて政府予算の1%を越えた上に、来年では総額が1兆ウォンを超えるからだ。

文化予算は、90年代初めまで、1000億ウォンを少し超えるくらいの金額に、政府予算全体で占める割合といえば0.4%ほどに過ぎなかったことからすると、ここ1、2年間に随分増えたものである。しかし、現在の文化予算が効率的に使われているとは言い切れない。文化予算の用途においてもっとも不満なことといえば、観光部門の予算が含まれていることだ。文化と観光は明らかにその性格を異にしているので、分離して計算すべきである。来年度の観光予算は1900億ウォンだから、その分、文化予算は減少することになる。

もっと大変なことは、こうして確保した文化予算をどう使うかにある。文化予算は、直ちにその成果が出なくても長期的レベルで投資と育成が必要な分野にも使われるべきだ。その代表的な例が、純粋文化である。もちろん、文化産業への支援も大事だ。だが、その根元を成している純粋文化が活性化されなければ、文化産業の発展は期待できない。

韓国の純粋文化をめぐる環境はまったく不毛な状態である。国際通貨基金(IMF)管理体制以降、その基盤が崩れているといっても過言ではない。いつにもまして、純粋文化への積極的な配慮が必要な時期である。

そういうことからすると、来年度の文化予算案は不足である。純粋芸術活動への支援は、1兆ウォンのうち200億ウォンに過ぎない。博物館や文化会館など文化基盤施設の建設だけに支援が集中しており、完成された後、その内容をどうやってつめていくかについては考慮していない。まだ、文化予算を「使うところは多く、予算は足りない」実情からしても、目にみえるものだけに予算を使っているのではないだろうか。

文化観光部は文化予算1兆ウォン突破について、「文化政策に対する政府の確固たる意志が反映されたもの」だとしている。こういう自慢よりは、不毛の文化土壌をより豊かにするための長期的ビジョンをたて、それを実行することが先のはずだ。