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遺族に許しを請いたい、獄中詩集の印税を送る死刑囚

遺族に許しを請いたい、獄中詩集の印税を送る死刑囚

Posted December. 26, 2023 08:19,   

Updated December. 26, 2023 08:19

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「獄中で出した詩集の印税を被害者遺族に送る死刑囚もいます」

ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)のグローバル賛美の教会で21日に会ったアン・ホンギ牧師(66、法務部矯正委員・写真)は、「死刑囚なら更生は不可能だと思われがちだが、皆がそうではない」とし、このように話した。アン牧師は約20年間死刑囚を含む重犯罪者の更生使役に尽き、「死刑囚や暴力団の更生専門牧師」と呼ばれる。

――どうせ努力するなら死刑囚のような重犯罪者より罪の軽い人の更生のほうがより効果的ではないですか。

「私の経験では死刑囚や10年、20年も服役する重犯罪者の更生がむしろ簡単でした。その人たちは諦めて何もかも手放す場合が多いです。1,2年刑務所で過ごす人たちはもうすぐ出るから欲も捨てられず、過ちを認めるよりは「運が悪くて捕まった」と思うんです。そのため、更生は容易ではありません」

――今日も死刑囚に会ったんですって。

「死刑囚8人を更生させています。今日会った死刑囚は20年余り服役中ですが、刑務所で詩集を出してその印税で連絡が取れる被害者遺族に少しの金額ですが送りました。許しも請いました。もちろん更生できない人も当然います。懺悔したからといって死んだ人が帰ってくるわけではありませんが、それでもそのような姿を見れば遺族の心のしこりが少しはほぐれるかもしれません」

――矯正委員ですが、韓国の矯正政策にまだ不十分なところが多いと言いましたが

「名前は矯正・更生政策ですが、実際にその役割はほとんど果たしていません。最初から重犯罪者になるわけではありません。小さな犯罪で入ってきた時にきちんと矯正・更生すれば悪循環を断ち切ることができるんです。少年犯罪者は特にそうです。ところが矯正委員である私でさえ、1日の面会時間が10分しかありません。その時間に何ができるのでしょうか。矯正活動ではなく、一般人面会の概念として考えるんですよ」

――一部では矯正よりも処罰を強化すべきだという意見もありますが…。

「ふぅ…。矯正・更生にもっと投資し努力すれば、小さな犯罪が大きな犯罪に発展することを防ぐことができます。再犯率も、数も減るでしょう。なのに根本的な努力はせず犯罪を育てておいて、対策といって処罰を強化し刑務所を増設し、様々な管理機器や人員を増やすのが果たして合理的な方法でしょうか。私は死刑執行をしていないので犯罪が凶悪化しているとは思いません。死刑執行があった時も凶悪犯罪はありました。私たちが考えを変えるべきです」


李鎭求 sys1201@donga.com