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経済難・反移民感情が呼んだ欧州議会の極右の風

経済難・反移民感情が呼んだ欧州議会の極右の風

Posted June. 11, 2024 08:36,   

Updated June. 11, 2024 08:36

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欧州議会選挙で、強硬右派と極右政党が現在の全議席(705議席)の約5分の1から新議席(720議席)の約4分の1を占めた。強硬右派政党交渉団体である欧州保守改革(ECR)と極右政党交渉団体である「アイデンティティーと民主主義(ID)」はそれぞれ70議席と60議席を獲得した。親ナチス発言でIDから追放された「ドイツのための選択肢(AfD)」の16議席、ハンガリーのフィデス党の9議席などを合わせると170議席台に達する見通しだ。中道右派政党で1位の交渉団体である欧州国民党(EPP)の186議席には及ばなかったが、目前まで追い上げた。

欧州議会は、欧州連合(EU)27加盟国の人口規模に応じて議員数が割り当てられ、各国で比例代表制で選出される。フランスでは、ID所属の国民連合(RN)が得票率でマクロン大統領の「再生」を約2倍の差で上回った。ドイツでは、EPP所属のキリスト教民主同盟・社会同盟が1位を占めたが、ショルツ首相の社会民主党はAfDに次いで3位に後退した。マクロン大統領は政治的危機の打開に向けて、議会解散権を発動して早期総選挙を実施することを決めた。ドイツでは、キリスト教民主同盟・社会同盟が、社会民主党連立政権に対して早期総選挙を迫った。

米国と欧州で強硬右派と極右の躍進は、白人中産層にまで押し寄せた経済難と治安不安をグローバリゼーションと移民のせいにすることに起因する。米国では2016年、強硬右派と極右の間に位置するトランプ大統領が当選し、今年11月の大統領選でも接戦を予告した。欧州では、フランスではRNのルペン代表が2022年の大統領選挙でマクロン氏と決選投票を行い、ドイツではAfDが社会民主党を追い抜き、キリスト教民主同盟・社会同盟に次ぐ2位の座を狙っている。

今年の米大統領選挙でトランプ氏が負けても「第2のトランプ」が懸念されるほど、共和党は草の根組織から変わった。EUの双頭馬車であるフランスとドイツでは、極右政党が政権を握るまでには至らなかったが、人口規模で3番目のイタリアでは「欧州のトランプ」と呼ばれるメローニ氏が首相になり、4番目であるスペインでは強硬右派と極右政党が2、3番目の政党になった。米国と欧州の右傾化は、保護貿易主義につながるしかなく、輸出で生計を立てている韓国のような国が大きな打撃を受ける可能性がある。長い目で時代の変化を見据え、長期的な対策を立てなければならない。