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歴史は進歩する

Posted December. 12, 2023 08:39,   

Updated December. 12, 2023 08:39

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大学のキャンパスに一日中催涙弾の臭いが漂っていた1980年代に大学に通っていた筆者は、「歴史は進歩する」という言葉をよく聞いた。そのたびに、私はかすかな笑みを浮かべたのを覚えている。その言葉を言う人が歴史に関する知的な確信を持って言っているのか、軍事独裁がいつか終わるだろうという希望をそのように表現したのか、聞くこともできなかった。

歴史の進歩が技術文明の進歩を意味するならば、そうだ。技術文明は、常に発展していると断言できる。法と制度は?進歩しているように見えるかもしれない。反逆罪は三族を滅ぼすというような過酷な連座制、拷問、奴隷制、その他にも馬鹿馬鹿しく、残酷で、常識外れな多くの制度が今はなくなった。過去には合法であり、常識であり、慣行だった多くのことが、今では違法であり、公開されると大衆の恐ろしい非難を受ける世の中になった。

これが進歩なら進歩だが、私は変化への適応という表現の方が適切だと考える。例えば、朝鮮時代には大人の前で眼鏡をかけると失礼だった。当時は眼鏡が珍しく高級輸入品なので、普通の人は手が出せなかったからだ。今のように眼鏡をかけている人があふれる時代には、眼鏡を外せと言ったら社会が止まってしまうだろう。

人間の本性はどうだろうか、全く変わっていない。21世紀の戦争でも常識外れで残酷な犯罪がいまだに起こっている。それでも昔より人道的に見えるのは、技術の発展と秘密保持の難しさからだ。目を覆えば、野獣性はすぐに爆発する。

戦争を見守る人々、知識人の偏狭さ、党派性、無知も変わっていない。技術がいくら進歩しても、人間の良心と分別力は太初の大きさを抜け出せない。

来年にはロシア・ウクライナ戦争にどうにか結論が出そうだ。イスラエルとハマスの戦闘も1次終結となるだろう。しかし、それが進歩の道ではない。私たちはすぐに新たな野獣を発見するだろう。