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弾劾、拒否権、特検…政争に足を引っ張られた予算と民生

弾劾、拒否権、特検…政争に足を引っ張られた予算と民生

Posted December. 02, 2023 08:43,   

Updated December. 02, 2023 08:44

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来年の4・10総選挙を控えた最後の定期国会が、与野党の政争で極端な対立の様相を呈している。最大野党「共に民主党」が1日、李東官(イ・ドングァン)放送通信委員長の弾劾案可決を予告すると、李委員長は前夜に辞意を表明し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は本会議直前にこれを受理した。李委員長の免職で、弾劾案は自動破棄された。民主党は、孫準晟(ソン・ジュンソン)検事と李禎燮(イ・ジョンソプ)検事に対する弾劾案を、与党「国民の力」が不参加した中で採決を強行し、可決させた。同じ頃、尹大統領は民主党が一方的に処理した「放送3法」と「黄色い封筒法」に対して拒否権を行使した。拒否権行使は、糧穀法(4月)、看護師法(5月)に続き、今年に入って4回目。

放送通信委員長の就任3ヵ月での辞任は、与野党対立の象徴的な場面だ。現政権は、放送の正常化を大義名分に公共放送の支配構造の変更に乗り出し、民主党は現政権が総選挙を控えて放送を掌握しようとしているとして弾劾を推進した。李委員長の免職で、放送通信委員会は5人の委員のうち1人だけが存在する奇形的な存在となった。民主党は、多数議席を武器に、「ストライキを助長する」(黄色い封筒法)や「親民主党団体の影響力拡大」(放送3法)という指摘にもかかわらず、争点法案を一方的に処理した。政府与党は、野党の国政妨害を主張するだけで、対話と妥協の努力を見せなかった。

このように国会と政府がにらみ合いを続ける間、638兆ウォン規模の来年度予算案は憲法上の処理期限(2日)を今年も過ぎ、企業構造調整や重大災害処罰など重要な国民経済関連法案は棚上げのままだ。民主党は12月中に、いわゆる「50億クラブ」と金建希(キム・ゴンヒ)夫人関連の2件の特別検察官法を処理する考えであり、政治失踪はさらに深まるものとみられる。

第21代国会は、政治を正し、国民の暮らしに責任を持ってほしいという民意を最後まで裏切っている。野党は力で党派的な法案と弾劾を押し付けた。長官級の委員長は辞表で国会の動きを無力化させた。どこに国家と民生に対する苦悩が感じられるのか、答えに窮する。当面の経済も危機だが、未来を準備するために総力を尽くすべき貴重な時間が無駄になっている。与党は野党を包み込み、国政の総体的な責任を果たさなければならない。野党も3年前に決定された議席数だけを頼りに無理強いをしてはならない。与野党ともに総選挙の有利・不利だけを考えて争うのではなく、来年度予算案と民生を守る本来の役割に忠実でなければならない。それが最終的に民心を得る道である。