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「欧州版IRA」が暴風前夜、またも手遅れ対応なってはならない

「欧州版IRA」が暴風前夜、またも手遅れ対応なってはならない

Posted March. 11, 2023 08:22,   

Updated March. 11, 2023 08:22

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欧州連合(EU)が14日、電気自動車(EV)バッテリーの重要鉱物の供給網強化を図り、重要原材料法(CRMA)を発表する予定だ。これに先立ってメディアに公開された素案によると、EUは重要原材料の少なくとも10%以上を域内で生産し、40%を域内加工処理することを目標に決める方針だ。米国のインフレ削減法(IRA)に続き「欧州版IRA」と呼ばれる同法が韓国企業に新たなダメージを与えかねないと懸念する声があがっている。

CRMAは重要鉱物の安定的な確保のために27のEU加盟国が共同対応に乗り出すという戦略的な狙いから進められてきた法案だ。重要鉱物30種類の半分以上を90%以上中国やロシアなどに依存してきた欧州は、戦争でサプライチェーンのかく乱が深刻化した昨年から輸入先多角化などの対案を模索してきた。これまで公開された内容では、米国のような原産地規制や支援差別条項はないという。しかし、今後の法条項を具体化する過程で関連内容が追加される可能性も排除できない。

EVとバッテリーなど先端産業の競争の中で鉱物争奪戦まで加熱し、主要国の貿易障壁は引き続き高まっている。経済ブロック化に伴う規制も増えている。CRMAの場合、鉱物規制のほか、「カーボンフットプリント」の現状を公開するなど、環境分野の基準を強化するという。EUはまた、域内のエコ企業にマッチングファンドの形で米国と同じ水準の補助金を与えるとしており、事実上米国との「補助金戦争」を宣言した。自国優先主義を前面に掲げた欧州と米国の挟み撃ちで、韓国のEVとバッテリー企業の負担が重くなる可能性が高い。

韓国はただでさえ、米国のIRAと半導体支援法に相次いで不意打ちを食らって、後続対応に冷や汗をかいている状況だ。詳細内容が具体化する過程で、韓国にさらに不利な条件が付け加えられている。海外でいつ、どこから、どのような措置がさらに飛び出すか分からない。否定的な波及効果を最小限に抑えながら、韓国企業の利益を守る先手を打つ対応が求められる。重要原材料の対中国依存度を下げながら、韓国独自のサプライチェーンを多角化する取り組みに拍車をかけなければならない。全面的な支援を通じて技術競争力の強化など戦略産業を集中的に育成する政策も無視してはならない。