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「移民の墓場」となったイタリア沿岸、木船沈没で約100人が死亡・行方不明

「移民の墓場」となったイタリア沿岸、木船沈没で約100人が死亡・行方不明

Posted February. 28, 2023 08:10,   

Updated February. 28, 2023 08:10

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イタリアで移民らを乗せた船が難破し、子ども12人を含む少なくとも59人が死亡した。最近、移民救助を制限する法律を可決したメローニ内閣に対する批判も高まっている。昨年10月、ムッソリーニ以来100年ぶりに政権を握った極右政治家のメローニ首相は、政権発足前から反移民、反イスラムなどを主張し、「女ムッソリーニ」「欧州で最も危険な女」などと呼ばれた。

26日、イタリア南西部カラブリア州クトロ付近の沖合で200人以上の移民らを乗せた木船が難破した。27日現在、59人が死亡し、81人が救助された。死者のうち12人は生後数ヵ月と推定される赤ん坊を含む子どもだった。行方不明者は少なくとも60人にのぼり、死者の数は増えるものとみられる。英紙ガーディアンは、移民の大半がイラン、パキスタン、アフガニスタン出身で、22日にトルコを出発し、欧州に向かっていたという。

メローニ氏は、事故は密入国ブローカーのせいだと主張した。メローニ氏は、移民を船に乗せたブローカーを「人身売買業者」と規定し、「多くの命が失われたことに深い悲しみ」を表明した。

しかし、事故3日前の23日、イタリア上院で移民救助船に対する規制を強化する法律が可決されるなど、政府も責任を免れないという指摘が出ている。この法律は、個々の救援団体の救助活動を1回のみ許可し、違反すると最大5万ユーロ(約7千万ウォン)の罰金が科される。これまで「国境なき医師団」などが海岸に数日間滞在し、救助を行った後、移民を集めて入港を要請したことへの措置だ。イタリアは先月も国境なき医師団側の入港要請に100時間離れた港を割り当てるなど、非協力的な態度で対応した。

国連難民機関によると、シリア移民の欧州行きが本格化した2014年以降、地中海中部だけで1万7千人以上の移民が死亡または行方不明になっている。今年1、2月だけでも死者の数は少なくとも220人にのぼった。最近、トルコとシリアを襲った地震で生計が苦しくなった住民が死を覚悟して欧州行きを試みているとみられ、欧州挙げての対策が必要だという声が出ている。


イ・チェワン記者 chaewani@donga.com