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明日、与野党が入れ替わる

Posted May. 09, 2022 09:13,   

Updated May. 09, 2022 09:13

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明日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の就任と共に韓国政治の権力地形も一変する。政府と国会を手にした与党「共に民主党」は今や一方の権力を失って巨大議席の野党に、野党だった「国民の力」は少数議席だが政府と国政の責任を負う政権与党になる。逆転した立場で「国民の力」と「共に民主党」はそれぞれ責任ある政治を実現しなければならない。しかし、両党は依然として現実を否定し、自己矛盾の無責任政治を行っている。

 

与野党の交代は、国民が選択した3月9日の大統領選の結果だ。0.73ポイントという接戦となり、与野党はいずれも国民に統合と協治を約束したが、その時だけだった。いつそんなことを言ったのかと言わんばかりに「共に民主党」は立法独走を続け、「国民の力」は代案のない非妥協強攻の構えだ。このような対立と衝突、混乱と葛藤の中、尹政府がスタートする。

「共に民主党」は、国会の多数議席で「検捜完剥(検察捜査権の完全剥奪)」立法を強行したのに続き、重大犯罪捜査庁の設立を議論する司法改革特別委員会の構成も一方的に強行している。法制司法委員長を「国民の力」に委ねるという約束まで反故にした。「共に民主党」は立法権力を振り回しているが、政府の執行意思がなければ有名無実ということを分かっていないようだ。これまで野党に対して「国政協力」を要請した頃があったとは思えない。

  

尹氏と「国民の力」も別段大差ない。大統領執務室の龍山(ヨンサン)移転から前政府の政策否定、不適者の起用に至るまで、新権力の傲慢さだけが目についた。野党が足を引っ張っていると批判することはできるが、それが失敗の弁明にはならない。「与小野大」国会で、妥協と熟考を通じた政治力がなければ、円滑な国政運営は不可能だ。不能状態の政治から回復しなければならない。その始まりは、「国民の力」が叫んできた「野党尊重」でなければならない。

 

「国民の力」も「共に民主党」も中途半端な権力では何もできない。一方的な独走は政治の失敗をもたらし、それは国政のマヒ、国民の不幸を生む結果となる。立場が代わった与野党は、今からでも違いと反対ではない共通と同意を、あるいは相通と類似を見出す成熟した政治を始めなければならない。それが2ヵ月前に国民が政界に投げかけた命令であり、1ヵ月も残っていない地方選挙で国民が判断を下す基準である。