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世界的な金融危機並みの物価高騰、対策を打つのは新旧政府のうちどっちだ

世界的な金融危機並みの物価高騰、対策を打つのは新旧政府のうちどっちだ

Posted May. 05, 2022 08:46,   

Updated May. 05, 2022 08:46

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先月、消費者物価が1年前より4.8%高騰し、物価高・原油高・ウォン安(ドル高)の3高の複合危機が本格化している。4月の物価上昇率は、グローバル金融危機時の2008年10月以降、13年6ヵ月ぶりの最高値を記録した。コメやインスタントラーメン、卵など生活必需品で構成される生活物価の上昇率は5.7%にもなる。他の先進国とは異なり、韓国物価統計では抜けているマイホームの居住費用まで含ませれば、物価上昇率はさらに1〜2ポイント高くなるだろう。

今の世界的なインフレは、コロナ禍への対応として各国政府や中央銀行が流動性を増やした状態で消費需要は回復したが、供給はグローバルサプライチェーンのかく乱やウクライナ戦争などで支障が生じて発生した。原油・天然ガスなどのエネルギー、電気自動車・バッテリーの生産に必要なニッケルやコバルト、リチウムなどの原材料、麦のような農産物価格が同時に高騰し、状況が良くなるまで少なくとも2年間はかかるという見通しが出ている。

物価高騰に対応して米連邦準備制度(FRB)が今日未明、基準金利を引き上げたことで、韓国銀行は苦悩に陥ることになった。あらかじめ基準金利を1.5%まで高めておいたが、米国が0.5ポイントの「ビッグステップ」を相次いで推進するならば、金利が逆転し、海外資本の離脱が深刻化する恐れがある。今年に入ってから4月まで、韓国証券市場から流出した外国人資金だけでも、すでに13兆7600億ウォンに上る。だからといって、金利をあまり早く引き上げれば、家計と企業の利息負担が大きくなり、景気が急速に冷え込む。最も懸念されるスタグフレーション(物価上昇の中での景気低迷)を自ら招くことになる。

最近では、情報技術(IT)企業と大企業の人材争奪戦や流通・プラットフォーム企業の配達競争から始まった人件費の上昇が、生産性の低い他業種の賃金引き上げ要求と労使対立へと広がっている。原材料価格や人件費の上昇に、大統領選挙後に先送りした電気・ガスなどの公共料金の引き上げまで重なり、中小企業や自営業者はコロナ禍よりさらに厳しい状況に追い込まれている。

国内外で進められている複合的危機は、政府と韓銀が緻密に協力しても、まともに対応できない挑戦といえる。にもかかわらず、任期終盤の政府は、インフレへの対応に手を拱いており、下手をすると内閣も構成できないまま発足する新政府は、4週間後の地方選挙を意識したばらまき政策を打ち出し、利上げをあおっている。しばらくよそ見をしては、韓国経済を深いどん底に陥れる重大な時点に立っていることを忘れてはならない。