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南北通信連絡線の復旧意向を示した金正恩氏、新兵器を発射しながら口封じか

南北通信連絡線の復旧意向を示した金正恩氏、新兵器を発射しながら口封じか

Posted October. 01, 2021 08:30,   

Updated October. 01, 2021 08:30

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が最高人民会議での施政演説で、10月初めに南北通信連絡線を復旧する意向を表明した。その一方で金正恩氏は、「南朝鮮で我々を刺激し、言いがかりをつける不純な言動を続けている」と非難し、関係回復か悪化の継続かは韓国側の態度にかかっていると強調した。米国に対しても「(バイデン)新政権の出現後、軍事的脅威と敵視政策は変わっておらず、むしろ一層狡猾になっている」と主張した。

いわゆる「極超音速ミサイル」挑発2日後に出た金正恩氏の対南メッセージには、非難と融和が混合している。終始、韓国側の態度を非難しながらも、恩恵を与えるかのように通信連絡線を連結する用意があることを明らかにした。北朝鮮は7月末、首脳間の親書交換の結果として、通信連絡線を復旧したが、2週後に再び遮断した。数日前には金与正(キム・ヨジョン)氏を通じて、「南北首脳会談」まで強調しながら、ミサイル挑発を強行した。懐柔と脅迫を交互に、または同時に行う二重欺瞞策だ。

 

北朝鮮はこのような常套の両面戦術が通用すると判断しているようだ。実際に北朝鮮は、巡航ミサイルと弾道ミサイル、超音速ミサイルを相次いで発射しながら「二重基準」の撤回を迫り、韓国側が「挑発」と規定できないようにした。金正恩氏は今回、「南朝鮮を挑発する理由もなく、危害を加えるつもりもない」とし、妄想と被害意識から抜け出せと子どもを言い聞かせるように話した。北朝鮮が今後どのような挑発をしても韓国側が問題視できないよう口封じをしようとしているのだ。

ただし、金正恩氏の発言から、今のような自閉的状態では長く持ちこたえられないという切迫感が読み取れるのも事実だ。自力更正を叫ぶが、迫る枯死の危機の中、内部的な圧迫も大きくなっている。そのため、交渉であれ対決であれ米国とやり合う前に韓国を手なずけ、韓米を引き離そうとしている。米中対立の新たな冷戦構図に変わったとして、何かを企てる好機であると考えている。にもかかわらず、政府は無防備に巻き込まれていく様相だ。残りわずかな任期中にどうにか挽回しようとする焦り、北朝鮮もそれを知るがゆえに起こることだ。