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[社説]「韓日核武装」発言に覚えがないというトランプ氏の現実主義外交

[社説]「韓日核武装」発言に覚えがないというトランプ氏の現実主義外交

Posted November. 16, 2016 08:31,   

Updated November. 16, 2016 08:33

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米国のドナルド・トランプ次期大統領が13日、選挙期間、「韓国と日本の核武装容認もあり得る」と発言したことに対して、「言った覚えはない」と否定した。米国が50年近く守ってきた核拡散防止条約(NPT)体制を変えることはできないという現実を認める方向に回ったというのが外交関係者の評価だ。「使い道のない機構」と言った北大西洋条約機構(NATO)についても、「NATOと米・大西洋同盟を支持する」と後退した。1週間前には「トランプ氏は準備のできていない候補で、核ボタンを押す資格すらない」と攻撃したオバマ大統領まで「トランプ氏は実用的な人だ」と言わしめた変化だ。

事実、トランプ氏は本質的に実業家なので、政治的信念を重視したり発言を覆すことにプレッシャーを感じるタイプではない。荒っぽく危険に見えた公約を現実に合わせて調整することは喜ばしい変化だ。問題は、トランプ氏が予測が難しい「変則ボクサー」ということにある。このような変化がいつまた変わるか分からないということだ。また、大統領選の間、「米国の財政赤字が21兆ドルにものぼる状況で、世界の警察の役割をすることはできない」といった「国益優先」の基調は変えないだろう。

米スタンフォード大学アジア太平洋研究所と世宗(セジョン)研究所が15日、共同主催した「米新政府対外政策」セミナーで、参加者は口をそろえて、「座って心配ばかりするのではなく、韓国が分断の状況で莫大な国防費を使って在韓米軍駐留経費の負担をしており、韓米自由貿易協定(FTA)で米国も利益を得ているという点をしっかり伝えなければならない」と指摘した。もっともな指摘だ。心配する時間があるなら足を使わなければならない。

日本はすでに動いている。安倍晋三首相は、外交担当補佐官を米国に派遣し、日米同盟と環太平洋経済連携協定(TPP)の戦略的重要性を伝える説得戦に乗り出した。世界指導者の中で初めて17日にトランプ氏とニューヨークで会談する。「崔順実(チェ・スンシル ゲート)」で国政が麻痺したような韓国の現実がもどかしい。外交安保懸案だけでも専門チームを設けてトランプ氏に相対するよう政界が知恵を出さなければならない。



허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説 angelhuh@donga.com