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[社説]性犯罪対策、2番煎じ3番煎じで済ませようとするな

[社説]性犯罪対策、2番煎じ3番煎じで済ませようとするな

Posted September. 04, 2012 08:46,   

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娘を抱えている母親らの間で最近、「寝ている子も再度チェックしよう」、「鍵をかけたドアも確認せよ」という言葉が出回っている。羅州(ナジュ)小学生性的暴行の事件の犯人が、「同じ町のおじさん」と分かり、街角での人情まで薄くなっている。幼稚園に通う娘を抱えている母親たちは、「娘が早く成人してほしい」と語るほどだ。

警察は昨日、1ヵ月間の防犯非常令を宣言し、人員や装備を性的暴力犯罪の予防や国民生活関連治安に集中的に投入すると明らかにした。防犯施設の脆弱な庶民住宅密集地域や女性たちが多く暮らしているワンルーム地域に、人員を集中的に配置するそうだが、限られた警察力で、いつまで全ての路地を守り切ることができるのか、気になるところだ。

警察庁に、児童・青少年わいせつ物を取り締まるコントロールタワーともいえる「児童ポルノ対策チーム」を立ち上げ、ネット上のわいせつ物を巡り、集中的に取り締まるという方針も打ち出している。先週末、東亜(トンア)日報の取材チームが訪れたソウル冠岳区新林洞[(クァンアック・シンリムドン)の成人ネットカフェでは、3.3平方メートル(約1坪)弱の部屋10数個が箱のように並び、児童ポルノを流していた。いたるところに不法わいせつ物が溢れているのに、警察はなぜこれまで見てみぬ振りをしてきたのか、問い詰めてみなければならない。

李明博(イ・ミョンバク)大統領は昨日ラジオでの演説で、「性的暴力犯罪は再発の可能性が高く、積極的に性犯罪者の身元公開を行っていくつもりだ」と語った。08年、登校中おぞましい性的暴行を受けた8歳の「ナヨンイ事件」後、李大統領は、「児童への性的犯罪者は再犯の可能性が高いだけに、身元情報公開の度合いを強め、社会からできるだけ隔離させることが求められる」と語ったこととよく似ている。あの時、李大統領が指示した「強力な対策」はいったい、どこに行ってしまったのか。当時、与党ハンナラ党も、有期懲役刑の上限を無くし、児童への性的暴力犯罪者の判決量刑を20年、30年、50年まで延長することができるよう、刑法改正を推進すると誓った。しかし、ナヨンイ事件の犯人、チョ・ドゥスンは、12年刑の判決にとどまっている。おぞましい性的暴力事件が起きるたびに、二番煎じ、三番煎じの対策が飛び交ったが、世論が静まると、政府や警察はのんきな日常に簡単に戻ってしまうことが繰り返されている。

性犯罪者の人権を主張する前に、犯罪被害者の命や人権に先に気を配るべきだ。米国では、性犯罪厳罰主義が導入された後、児童対象性犯罪者が79%も減ったという報告もある。性犯罪者への薬物治療が実施されてから1年が過ぎたが、裁判所の治療命令はわずか1件に過ぎない。電子足枷も、法律制定前の犯罪者まで拡大適用する必要がある。