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「笑わせる技術の代わりにハイテクで勝負」

「笑わせる技術の代わりにハイテクで勝負」

Posted June. 28, 2011 08:00,   

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映画制作会社が2週間隔で100億ウォン台の大作2編をリリースする「賭博」は、忠武路(チュンムロ)では前例がない。2編の最終作業で忙しいユン・ジェギュン氏は、時間節約のためにソウル汝矣島(ヨウィド)から江南区論峴洞(カンナムク・ノンヒョンドン)のオフィスに向かう車中でインタビューを受けることを提案した。

記者は今夏の韓国映画の興亡が両肩にかかっているが、プレッシャーはないかと切り出した。

「それでも制作者は監督よりましです。制作者は、(映画が)うまくいかなくても、投資家や監督のせいにすることができます。しかし監督は、俳優やスタッフのせいにすることはできません。野球監督が選手のせいにすれば、ファンに(卑怯だと)たたかれるでしょう」

無関心とも受け取られそうな返答とは違い、ハンドルを握った手に力が入っているようだった。

ユン氏は、「海雲台(ヘウンデ)」で韓国型大作映画の可能性を見せつけ、1000万監督の隊列に合流した。しかし、まだ、ユーモラスな「マイ・ボス マイ・ヒーロー」(01年)、「セックス・イズ・ゼロ」(02年)の三流の影が残っていると刺激してみた。

「もう三流映画は作りません。子どもが生まれてから、子どもに恥ずかしくない映画を作りたいと思いました。今回の2編は、『笑わせる技術』ではなく『ハイテク技術』で勝負した映画です」

李ミンギ、カン・イェウォンが出演する『クイック』は、偶然、爆発物を配達することになったクィックサービス員の死闘を描いた映画だ。華やかな追撃シーンのスピードが圧巻だという。国内初の無線リモコンで操縦する車を利用し、転覆、衝突のシーンでは時速150キロ以上のスピードを出し、迫力を出した。これまで国内では、時速60キロを超えたケースがないという。

「チョ・ボムグ監督に、米国の『スピード』やフランス『タクシー』よりうまく撮る自信がなければ、やらないと言いました。2つの映画よりうまくできなければ、一生たたかれます。3800カットのうち1000カット以上をコンピュータグラフィック(CG)で作りました。国内映画でCGがこのように多い映画はありません。見ていて楽しいと思います」

河智媛(ハ・ジウォン)、安聖基(アン・ソンギ)、オ・ジホ主演の『第7鉱区』は、石油ボーリング船の隊員が正体不明の怪物と死闘を繰り広げるSF映画。韓国版大作映画では初の3Dで撮影された。

「『第7鉱区』は、『アバター』方式で撮りました。全体の80%以上を、描いたスクリーンを背景に俳優たちの動きを撮った後、3Dで作った背景と怪物を合成しました。3Dカメラですべてを撮るよりも、こっちの方が費用対効果がいいんです」

『クイック』と『第7鉱区』以外にも、ユ氏は大型プロジェクトを準備している。「李ミョンセ監督がメガホンを取り、私が制作する100億ウォンのスパイ・アクション『ミスターK』が、今年の冬、撮影に入ります。私が脚本と演出をした『テンプルステイ』は、シナリオの最終段階です」。

制作費が300億ウォン以上投入される『テンプルステイ』は、『インディ・ジョーンズ』のような冒険映画で、『ハリーポッター』シリーズを制作した1492ピクチャーズと共同制作する。

「ハリウッドの大作映画のように『ウェルメイドの商業映画』を作ることが目標です。だからテーマを考えます。私のほかにも、芸術的な映画を上手く作る人は多いです。私は、商業映画に素質があると思います」

約10編の映画を監督、制作したユン氏は、興行「打率」が高い。秘訣は何か。

「プライドを捨てました。私は、忠武路で最も格好を気にしない監督であり、制作者だと思います。サラリーマンとして6年間働き、上司や部下の顔色をうかがう術を知りました。組織で生活をするうえで最も重要なことはプライドを捨てることでした。投資家が投資しなければ、すぐにひざまずきました。俳優のキャスティングがだめなら、泣きながら頼みます」

格好を気にしないと言ったが、制作者としての野心は隠さなかった。「JKフィルムを20世紀フォックスやパラマウントのようなハリウッドのメジャー映画会社のように育てるつもりです。『JKフィルムが作れば必ずおもしろい作品が撮れる』という信頼を与えれば、可能だと思います」。

愉快に笑って話していた彼の声に、力が込められた。



bluedot@donga.com