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[オピニオン]中国の空母

Posted April. 08, 2011 10:39,   

中国の国営新華社通信が7日、大連港で建造中の中国初の空母の写真20枚を公開した。中国がまもなく空母を持つことになるという外信報道に沈黙を続けていた中国が、事実を認めたのだ。中国は、旧ソ連から独立したウクライナが未完成の状態で保有していた空母「ヴァリャーグ」を海上ホテルに改造して使用すると言って、98年に2000万ドルで購入した。しかし、中国は、用途を密かに空母に変え、進水を目前に控えている。

◆中国の今年の国防予算は6011億人民元(約917億ドル)で、米国に続き世界2位だ。去年より12.7%も増加した。空母の保有から、経済的に米国に続きG2となった中国が、軍事力でも2位の地位を固めようという意図がうかがえる。中国は昨年、米国の空母が韓米合同演習のために西海(ソヘ・黄海)に進入しようとした時、頑なに妨害した。中国が空母に対して、「他人がすれば不倫、自分がすればロマンス」といった具合に自分勝手だという指摘を受けるに値する。

◆船の心臓はエンジンだ。中国が、空母の完成に13年という長い時間がかかった第一の理由はエンジンだ。エンジンがない状態で船を購入した中国は、軍艦エンジン製作技術が落ちた。専門家らは、中国初の空母の最高速度が20ノット程度だと推定する。20ノットはコンテナ船の最高速度であるため、空母に商船用のエンジンをつけたとみえる。一つ一つ追求すれば負担が大きいにもかかわらず、中国が空母建造に熱を上げるのは、政治的理由のためだ。リビア事態で分かるように、中国は将来、いざという時には、空母を攻撃基地として活用することができる。

◆中国は、初の空母を「施琅」と命名する予定だ。明末の水軍提督である鄭成功の父親の下で働いていた施琅は、鄭成功が自分の一族を殺すと、清に逃げて提督になった。施琅は、1683年、台湾に上陸し、抵抗した鄭成功勢力を屈服させ、台湾を清の領土に編入した。漢族の施琅は、満洲族が建てた清王朝について大きな功績を上げた。「施琅」は、旧ソ連からウクライナ、そして中国に国籍が変わった船の名前として相応しいだけでなく、国際社会の浮沈を思わせる名前だ。中国の空母保有は、韓国の安全保障にどのような影響を及ぼすのか、軍と政府は分析しているのだろうか。

李政勲(イ・ジョンフン)論説委員 hoon@donga.com