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[社説]世代交代型「政治首相」と実力者型「側近内閣」

[社説]世代交代型「政治首相」と実力者型「側近内閣」

Posted August. 09, 2010 06:46,   

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李明博(イ・ミョンバク)大統領が8日に断行した内閣改造で注目を引くのは、48歳の金台鎬(キム・テホ)元慶尚南道(キョンサンナムド)知事を首相候補に抜擢したことだ。40代の首相起用は建国以来5度目で、71年の金鍾泌(キム・ジョンピル)首相以来39年ぶり。年齢と経験を問う政治社会の風土では破格のことだ。6・2地方選挙で、野党の宋永吉(ソン・ヨンギル、47)、安熙正(アン・ヒジョン、45)、李光宰(イ・グァンジェ、45)、金斗官(キム・ドゥグァン、51)氏らが当選したことも影響を及ぼしたようだ。しかし、政府発の世代交代が、政界だけでなく韓国社会の各所で肯定的な変化につながってこそ意味がある。

首相候補の金氏は、36歳で道議員、40歳で全国最年少民選郡守、42歳で道知事を経験し、国会議員補佐官やハンナラ党汝矣島(ヨイド)研究所研究委員を務めた。金氏は04年7月の補欠選挙で慶尚南道知事に当選した直後、道庁の幹部に「慶尚南道庁が滅びる方法を探せ」と宿題を出し、これを基に「慶南崩壊報告書」を作成した。金氏は、法外労組だった全国公務員労働組合(全公労)を認めず、全公労の政治介入や全国民主労働組合総連盟への加入に対して反対表明をするなど、不法行為とは妥協しないという原則を示した。年齢に比べて多彩な政治・行政経験を積み、斬新さがある。

金氏の抜擢は、与党の次期大統領選候補群の拡大という政治的意味もありそうだ。朴槿恵(パク・グンヘ)元ハンナラ党代表、金文洙(キム・ムンス)京畿道(キョンギド)知事、呉世勲(オ・セフン)ソウル市長に続き、金氏も「次期候補群」に名を連ねることになった。次期大統領の潜在候補たちが「犠牲とビジョン」で国民の信頼を得るための善意の競争をするなら悪いことではない。米国のオバマ大統領や英国のキャメロン首相など、先進国の40代の指導者を見れば、首相の仕事に年齢は問題にならない。首相という地位は、大統領を補佐する一方、国政全般にわたって牽引・調整・統合のリーダーシップを発揮しなければならない地位だ。金氏は難しい試験に向かう覚悟で、身を捧げる姿勢を見せなければならないだろう。

李大統領は今回の内閣改造で、実勢型直系の多くを長官候補に起用した。政権後半に当り、親政体制をより一層強化することで、国政を安定的に率い、国家先進化をはじめ初期の国政目標を成し遂げるという意志が読み取れる。内閣は、具体的な実績を通じて国利民福に寄与することが最も重要だ。

福祉—陳壽姫(チン・スヒ)、教育—李周浩(イ・ジュホ)、文化—申載旻(シン・ジェミン)、雇用—朴宰完(パク・ジェワン)長官候補らは、正式に就任すれば「働く政府」の真の姿を具体的な成果で示さなければならない。営利病院の許可、教育の正常化と大学の構造調整、文化コンテンツ産業の先進化、雇用の安定と先進化で意味のある結果を生むことで、国家先進化の土台構築だけでなく、雇用創出と国民生活の安定にも貢献しなければならない。李在五(イ・ジェオ)ハンナラ党議員の特任長官の起用や政治家出身の長官を多数抜擢したことは、政界との疎通に配慮したためとみえる。

与党の一部では、親李系と親朴系の派閥間対立を増幅させる可能性があるという憂慮の声が出ている。しかし、内閣改造の一部だけを見て性格を判断することは性急だ。総体的な評価は仕事を見てからでも遅くない。むろん、道徳性や資質など国政運営の遂行者として備えるべき徳性については、人事聴聞を通じて徹底的に検証されなければならない。