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[オピニオン]直指賞

Posted April. 29, 2004 22:36,   

ユネスコが世界記録文化遺産の保護のための賞を制定するに当って、世界最古の金属活字本である「直指心体要節」の名にちなんで「直指賞(Jikji Memory of the World Prize)」と決めた。ユネスコはまた、1990年から識字運動に貢献した人物や団体に与えられる「世宗大王賞(King Sejong Prize)」を制定して表彰してきた。世界が韓国の文字と記録文化の優秀性を認めた快挙だが、いざ当事者のわれわれはその深い意義がよく分かっていない。

◆韓国とドイツはずいぶん前から金属活字の宗主国の座をめぐって争ってきた。しばらく前までも、世界はドイツのグーテンベルクが1452年に刊行した「42行聖書」を世界初の金属活字本と認めていた。韓国は高麗時代の文臣、李奎報(イ・ギュボ)の「東国李相国集」にこれより200年前の1234年、国の典礼を記録した「詳定礼文」という本を鋳字(金属活字)で刷り出したという記録があると主張したが、具体的物証を提示できなくて公認してもらうことができなかった。

◆1972年、意外な援軍が外国で現われた。フランス国立図書館がパリ・ユネスコ本部で開かれた「世界図書の日」記念展示会に出品した「直指心体要節」が高麗の禑(ウ)王3年(1377年)、清州(チョンジュ)興徳(フンドク)寺で、金属活字で印刷された図書であることを明かしたのである。これで実物を見つけ出せなかった「詳定礼文」を除いても「直指」がグーテンベルクの聖書より75年ぐらい先の世界最古の金属活字本だという事実が満天下に立証された。

◆「直指」は高麗末の高僧、白雲和尚が佛界の偈、頌、法語の核心を上下2巻でまとめた本。「直指」は「直指人心見性成仏」から出た言葉で「人の心が仏様」であることを意味する。19世紀末、フランス代理公使としてソウルへ来たコラン・ド・プランシーが本国に持って帰った後骨董品収集家に渡して、その相続人が1950年、これをフランス国立図書館に寄贈した。下巻だけが残っており、それさえも初ページはなくなったが、最後のページに正確な刊記が残されていて世界的に公認されるようになった。まさに仏様の加護と言わざるを得ない。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com