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韓日企業、デジタルテレビ市場でしのぎを削る競争

韓日企業、デジタルテレビ市場でしのぎを削る競争

Posted May. 13, 2003 22:21,   

▲韓日デジタルテレビ競争の本格化〓イラク戦の戦況のため、世界中の視聴者の目がテレビに釘づけになっていた先月。LG電子のデジタルテレビは、行方をくらましたイラクのフセイン大統領と同じくらい公共の電波に乗った。

カタル・ドーハにある米中部軍司令部のブリーフィング室に設置されたプラズマディスプレーパネル(PDP)テレビ5台が、いずれもLG電子の製品だったため。LG電子はそのおかげで、金に換算できないほどの莫大なマーケティング効果をあげだ。

デジタルテレビ市場はこれまで、ソニー、松下など、日本勢がリードしてきたが、今年に入って韓国企業が大きな位置を占めるようになった。韓国企業は、PDPと液晶(LCD)テレビを攻撃的に披露し、市場の先取りに力を入れている。三星(サムスン)電子とLG電子は、それぞれ05年をめどに世界のトップメーカーになるという目標を立てた。日本は、高級家電やアナログ・カラーテレビ分野の優勢を高付加価値デジタルテレビ市場でも維持していくという戦略で対抗している。

三星電子映像ディスプレー事業部のシン・マニョン副社長は「デジタルテレビをはじめとするデジタルメディア事業には、会社の死活がかかっている。そのため、技術開発に向けた投資を大幅に増やす計画だ」と明らかにした。

▲デジタルテレビはデジタルコンバージョンスの花〓韓国と日本の企業がデジタルテレビ市場に目を向けている理由は、テレビのステータスが変わってきたため。「情報化時代のお払い箱」扱いされたテレビがデジタルテレビの登場で、情報化の寵児として返り咲いたのだ。

このような状況をもっとも喜んでいるのは、最強のテレビメーカーであるソニー。 ソニーの安藤国威社長は、今年初めに米国ラスベガスで開かれた国際家電ショー(CES2003)で「デジタルテレビはデジタルコンバージョンスを早めるもっとも大衆的な情報機器になるだろう」という見解を明らかにし、デジタルテレビ市場の競争に火をつけた。

ソニーはデジタルテレビにパソコン、携帯電話、オーディオ、ゲーム機など、自社製品をつないでデジタルコンバージョンス市場のシェアを確保するという構想だ。国内メーカーもパソコンと半導体景気の低迷が長引いていることから、次世代目玉輸出品として、デジタルテレビ産業の成長の見込みに期待をかけている。

▲画質競争に本腰〓ソニーが三星電子よりカラーテレビの売り上げが少ないにもかかわらず、市場の最強者として君臨してきた秘訣は、独創的な画質技術だった。ソニーは「DRC(Digital Reality Creation)」技術と走査線をぎっしり配列した「トリニトロン」ブラウン管を売り物にして「ベガテレビ」を世界的な高画質テレビブランドとして位置付けた。ソニーは画質改善技術の「ベガエンジン」をPDP、LCD、プロジェクションテレビなど、デジタルテレビ商品にも適用し、アナログ時代の名声を保つという戦略。

韓国企業もこれに対抗して画質改善技術の開発に取り組んでいる。三星電子はデジタルテレビの画質を高める「DNle(Digital Natural Image engine)」チップを開発し、画質競争に本腰を入れている。シン・マニョン副社長はDNle技術に対し「30年あまりの三星電子テレビ史の決定版だ」と説明している。LG電子は「DRP(Digital Reality Picture)」という画質技術をすべてのデジタルテレビ製品に使っている。

▲日本はブランド、韓国は素材が強み〓韓国企業の猛烈な追い上げにもかかわらず、デジタルテレビ市場には「ブランドの壁」が存在する。デジタルテレビが高級になるほど、日本製品が好まれる。

ブランドパワーと映像分野のオリジナル技術が日本企業の長所なら、韓国は主要メーカーがLCDやPDP、半導体など、デジタルテレビ関連の素材事業も一緒に手がけているため、技術と価格競争力の確保に有利だという評価。

三星経済研究所のイム・ヨンモ首席研究員は「テレビ市場がアナログからデジタルに切り替えられる間に、韓国と日本との技術格差がほとんどなくなっている。カラーや色感の表現など、微細な部分まで技術力を高め、ブランドパワーを強化すれば、韓国メーカーがデジタルテレビ市場を席巻することも可能だ」と展望した。



金泰韓 freewill@donga.com