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[社説]金正恩氏の金庫に入る「奴隷労働」の金脈を断ち切れ

[社説]金正恩氏の金庫に入る「奴隷労働」の金脈を断ち切れ

Posted March. 18, 2016 07:25,   

Updated March. 18, 2016 07:30

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米国のオバマ大統領が16日、北朝鮮の海外労働者送出を禁止する内容が含まれた北朝鮮制裁の新たな大統領令を出した。「北朝鮮政府や労働党の資金創出を含め、北朝鮮労働者の送出に関与、促進または責任があると判断される者は誰でも米国内の資産と利子を凍結し、輸出などの取り引きを禁止する」というのが骨子だ。国連安全保障理事会が北朝鮮決議案1720号の草案を作る際に議論されたが民生関連を理由に除かれた措置をオバマ大統領が独自制裁に含めたのだ。新たな大統領令には、北朝鮮と取り引きする第3国の個人、企業、銀行を制裁する「セカンダリー・ボイコット」条項も含まれた。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏が副部長を務める労働党宣伝煽動部も制裁対象になった。

中国、ロシア、アフリカ、中東で外貨稼ぎに動員された北朝鮮労働者は5万人を超えると、国連は把握している。彼らは、低賃金、長時間労働、北朝鮮保安員の監視を受け、賃金の相当部分を忠誠資金として搾取される。北朝鮮人権問題に関する国連特別報告者マルズキ・ダルスマン氏は昨年10月、「このような形で造成される外貨の規模が、年間12億~23億ドルと推算される」と明らかにした。北朝鮮は、労働者が奴隷のように血の汗を流して稼いだ金で核とミサイルを開発し、金正恩一家の奢侈品を購入している。

北朝鮮の海外労働者の搾取は、強制労働を禁止した国連の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に違反している。欧州議会が、北朝鮮の強制労働プログラムの中止を求める決議を1月に採択したのに続き、国連人権理事会で採択を準備している北朝鮮人権決議案にもこのような内容が反映される予定だ。オバマ大統領の大統領令は、効力が米国内に制限され、中国、ロシアに強制することはできない。しかし、国連規約と国際労働機関(ILO)に加入している以上、これらの国も北朝鮮労働者に国際基準に則って正当な労働条件を保障するよう監督を強化しなければならない。 

金第1書記は、国際社会の制裁にもかかわらず、さらなる核実験、長距離ミサイル発射を公言している。今は金第1書記の金庫が完全に底をつくよう手綱を引き締める時だ。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com