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韓国大統領の記者会見では米国のように「リレー舌戦」が不可能

韓国大統領の記者会見では米国のように「リレー舌戦」が不可能

Posted May. 11, 2024 08:44,   

Updated May. 11, 2024 08:44

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2018年11月、トランプ米大統領(当時)とCNNのジム・アコスタ記者の記者会見での舌戦が話題になった。当時、アコスタ氏はトランプ氏が不快感を露わにした移民問題を執拗に質問した。トランプ氏が、「もう十分だ(That's enough)」「座れ」という言葉を何度も繰り返し、他のメディアに質問を移そうとしても、気にも止めず質問を投げかけた。一人のホワイトハウスのインターンがアコスタ氏のマイクを奪おうとしたが、これを阻止して話を続けた。

9日の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の就任2年の記者会見では、チェ上兵捜査外圧疑惑、金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人の高級ディオールバッグ授受論議に対する質問者はそれぞれ1人だけだった。最近浮上した「秘線論議」など、一部の核心的な問題に対する質問は全くなかった。

今回の尹大統領の記者会見を機に、またもや「脈絡のない」記者会見が物議を醸している。韓国でこのような記者会見の慣行はずっと続いてきたが、今からでも形式にとらわれた記者会見ではなく、国民との双方向コミュニケーションの機会が保障される会見に生まれ変わらなければならないという指摘がある。

専門家らは、大統領の記者会見が記者と大統領の対話が不可能な形式であり、「決められた脚本」通りに行われることを最も大きな問題点として指摘している。

今回の尹大統領の記者会見でも、追加質問の機会は与えられなかった。尹大統領は記者会見で72分間、計20の質問を受けたが、国民が最も気になる金建希氏のディオールバッグ授受疑惑などに関する質問は1件だけだった。

記者会見で分野別の質問を受け、肝心の関心のある懸案事項に関する質問は充実させることができなかった。大統領記者会見が21ヵ月ぶりに開かれたため、イベント化された会見で形式にとらわれ、実質的なコミュニケーションができなかったという批判も少なくない。

仁川(インチョン)大学政治外交学科のイ・ジュンハン教授は、「尹大統領が質問に即答せず回避したり、焦点のずれた回答をしたりしたことが問題だ」と指摘した。


全主榮 aimhigh@donga.com