Go to contents

未来世代のための悩み

Posted April. 29, 2024 08:54,   

Updated April. 29, 2024 08:55

한국어

「私たちの子孫から、今日を生きる私たちの世代は彼らのために何をし、祖国のためにどんなことをしたのかと尋ねられる時…」(政府ソウル庁舎の大理石の看板の文言)

政府ソウル庁舎への初出勤の途中に出会った巨大な大理石の扁額の文句だ。朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の言葉だと言われているが、ウィンストン・チャーチル英首相の演説がそのもととなる。

生涯、民間企業に携わり、国から呼ばれ、初代人事革新処長として働く機会を持った。公職者の道をどのような姿勢で進むべきかについて悩んでいた時、出勤中に出会ったこの文句が一筋の光になって頭を殴った。「子孫のために今何をすべきか」という命題を心に刻み込んだ。明日と未来を眺めることが現在の世代を生きていく者の義務であることを肝に銘じ、「遠く長く見る公職者になろう」というのが私の公職生活の座右の銘になった。

在任中、公務員年金改革を貫徹させる一方、公務員人材育成制度を整備し、成果年俸制を増やすなど容易でないことを進展させたが、すべて今日ではなく次の世代のための気持ちから始まったことだった。公職から退いた後、非政府組織(NGO)と行った様々な活動、本の執筆も同様だ。次の世代のために何かをしなければならない、という切迫した気持ちから始まった。

グローバル舞台で成功した民間企業にも文化があり、永続性のためのビジョンがある。ところが最近、いざこれを導いていく国と公職社会の文化が揺れ、ビジョンが見えないようで残念だ。次の世代がより良い環境の大韓民国で生きていけるよう、公職生活をしている多くの後輩公務員が、国の未来とビジョンという大きな森を見る視野を持って働いてほしい。

毎日出勤して出会った上の文句を、庁舎に出入りする他の無数の公務員たちも向き合うだろう。社会のための善良な影響力は、未来世代のために何をするかを悩む小さな種から始まると信じる。