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影絵巨匠、藤城清治さんの作品展が韓国で開催

影絵巨匠、藤城清治さんの作品展が韓国で開催

Posted January. 26, 2024 08:40,   

Updated January. 26, 2024 08:40

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「銀河鉄道999」の原作童話『銀河鉄道の夜』を影絵にした日本の影絵作家、藤城清治(100)さんの生誕100周年を記念する作品展が韓国で開かれる。ソウル市鍾路区(チョンロク)の世宗(セジョン)文化会館美術館1・2館で26日に開幕した「大阪パノラマ展」は、藤城さんの作品約200点を紹介する。

影絵は、紙を切り取った余白にトレーシングペーパーを貼り、その後ろに照明を設置し、通過する光によって完成する。それぞれの紙に線をつなぎ、形が動くようにすることで、まるで人形劇のような「影絵」を上映することができる。

藤城さんは、慶應義塾大学経済学部在学中に絵画サークルや「児童文学研究会」で人形劇に触れた。この人形劇が影絵劇に発展したのは第二次世界大戦中だった。戦後、物資が不足したため、針金や手近なものを使って形を作った。頻繁な停電のため、暗い場所で光を活用する影絵を始めたのだ。

大学卒業後、映画配給会社で働いていた藤城さんが、1948年から雑誌『暮しの手帖』に連載していた影絵が、この頃の時代背景を物語っている。厳しい時代だったが、切り取られた線から温もりが感じられる作品が人気を集め、88年まで40年間、計220編余りが連載された。74年からはカラーで連載された。25日、美術館の記者会見に出席した藤城さんは、「白と黒だけを使った初期の作品は、技術的には未熟だが素朴な感性が込められた私の作品世界の原点だ」と説明した。

藤城さんは、「鹿からもらったお嫁さん」の連作にも注目してほしいと語った。58年に『暮らしの手帖』に連載したもので、韓国の民話を題材に制作された。その後一部の絵が紛失したため、今回の作品展に合わせて計14点を再び制作し、昨年12月に完成させた。 

宮沢賢治の小説『銀河鉄道の夜』はもとより、『セロ弾きのゴーシュ』、『グスコーブドリの伝記』などを題材にした影絵も展示される。『銀河鉄道の夜』を題材にした絵本は、83年にチェコの国際絵本原画展BIBにて金のリンゴ賞、2014年に宮沢賢治賞を受賞した。藤城さんは、「背景に平和への深い祈りと願いが込められている宮沢の童話に出会い、影絵作家として目覚めた」と話した。展示は4月7日まで。1万~2万ウォン。


金民 kimmin@donga.com