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貿易赤字慢性化の兆し、低成長の罠から抜け出す輸出対策が急がれる

貿易赤字慢性化の兆し、低成長の罠から抜け出す輸出対策が急がれる

Posted July. 02, 2022 09:19,   

Updated July. 02, 2022 09:19

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今年4月から6月までの輸入が輸出より多い赤字状態が続き、上半期の貿易赤字が史上最大の103億ドルに達したと、産業通商資源部(産資部)と関税庁が昨日明らかにした。貿易赤字が3ヵ月連続で続いたのは、2008年の金融危機以来14年ぶりのことだ。

史上最悪の貿易赤字が発生したのは、ウクライナ戦争による供給難でエネルギーと原材料価格が高騰したためだ。1年間で原油価格は1.6倍、ガス価格は3.3倍、石炭価格は3.5倍に上昇し、上半期のエネルギー輸入額は前年同期より90%近く増加した。一方、15ヵ月連続で2桁の増加傾向を見せていた輸出は、先月5.4%増に止まった。産業部は、「貨物連帯のストライキによる物流支障で生産と出荷に支障が生じ、自動車と一般機械の輸出が減少した」と分析した。外部要因で衝撃を受けたうえ、内部の問題まで重なり、貿易成績表に赤信号が灯ったのだ。

問題は、このような貿易赤字が一時的な現象ではなく、慢性化する可能性が高いということだ。今、韓国は米中景気の低迷に、グローバル物流の大乱が続いており、交易環境が大きく悪化した状態だ。原油高が続く中、夏場のエネルギー需要が急増しており、赤字幅はさらに拡大する余地もある。グローバルインフレとサプライチェーンの不安が固着化すれば、韓国は脱出口を見つけるのが難しくなる。すでに企業は、今年下半期の主力分野である電気電子や鉄鋼、石油化学業種での輸出が減少すると見ている。

グローバル景気低迷の懸念に加え、貿易赤字のショックが襲い、昨日の総合株価指数(コスピ)は、18ヵ月ぶりに取引中2300ポイント台を割り込んだ。貿易依存度の高い韓国が貿易収支を黒字に戻すことができなければ、経済全般が低迷しかねない。政府は昨日、中小企業専用の共同物流センターの拡充やオンライン常設展示館の運営など、中小業界への輸出支援策を打ち出したが、今の貿易危機はこれだけの短期対応で解決できる問題ではない。関係当局は貿易現場に飛び込み、企業の苦情に耳を傾けなければならない。貿易赤字の慢性化と低成長の罠から脱するための全面的な支援体系を直ちに稼動しなければならない。