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「ファシストになる方法」の著者、イタリア作家のムルジャ氏が死去

「ファシストになる方法」の著者、イタリア作家のムルジャ氏が死去

Posted August. 14, 2023 08:19,   

Updated August. 14, 2023 08:19

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ソーシャルメディア時代のファシズムはどのように誕生するかを滑稽に見せる本「ファシストになる方法」で、韓国国内でも有名なイタリア作家ミケーラ・ムルジャ(写真)が、10日(現地時間)死去した。享年51歳。

イタリアのアンサ通信は、ムルジャは数ヵ月前に腎臓がんのステージ4の判定を受け、闘病の末、首都ローマで死亡したと伝えた。イタリア・サルデーニャ島出身のムルジャは、小説家や劇作家などとして活動し、性平等や反ファシズム運動の先頭に立って現存するイタリア最高の知性人と呼ばれた。

氏は、登壇前は商店の店員や税務職員、夜間警備など多様な職業を経験した。2006年、初の小説「世の中は知らなければならない」は、大企業のコールセンタのお職員として働きながら体験した不平等と非正規職の現実などを土台に出版し、演劇や映画にも制作された。

さらに、安楽死を巡る生と死の両面性を描いた「アカバド-ラ」、女性暴力を扱った「愛して殺した、うわごと!」など、社会参加的な作品を多数出版した。2018年の「ファシストになる方法」は、反難民や少数者への嫌悪など、世界各地で浮上した極右ポピュリズムを風刺的に描写し、イタリアで大ヒットし、韓国をはじめ10ヶ国余りで翻訳・出版された。

極右性向のイタリアのジョルジャ・メローニ首相は、「ムルジャは、私とは悪名高いほど違う自分の考えを擁護するために戦った女性であり、私はこの点を非常に尊敬している」と明らかにした。これに先立って、ムルジャは7月、俳優兼監督のロレンツォ・テレンチと結婚した。ムルジャの葬儀は、12日、ローマ・ポポロ広場の教会で行われる。


趙은아 achim@donga.com