Go to contents

「私の日常に入ってきた博物館の遺物」、MZ世代に「ヒップトライディション」ブーム

「私の日常に入ってきた博物館の遺物」、MZ世代に「ヒップトライディション」ブーム

Posted May. 30, 2023 08:30,   

Updated May. 30, 2023 08:30

한국어

有名化粧品や雑貨ブランドが並ぶデパートの真ん中に、「小さな博物館」が設けられた。来月4日までソウル中区(チュング)ロッテデパート本店地下1階のコスモナジ広場の出入口では、国立博物館文化財団の文化財商品ブランド「MU:DS」のポップアップストアが開かれる。132平方メートルの売場の陳列台には、国宝半跏思惟像と朝鮮白磁を模したミニチュア、新羅土偶(土で作られた人や動物の像)で飾られたガラスコップなど、10品目26種の文化財商品がぎっしりと置かれている。伝統文化財を再解釈した博物館の商品を、デパートで披露するのは初めて。

最近、伝統文化財を基にしたデザイン商品が人気を集めるなど、「ヒップトライディション」の風が吹いている。ヒップトライディションとは、韓国の伝統にMZ世代(ミレニアル+Z世代)特有のヒップな感性を与え、新しいトレンドを作ることをいう。文化財企画商品は観光客の記念品として留まるのではなく、グラスや時計、ポーチ、傘、携帯電話ケースなど日常生活の中の商品として位置づけられている。

国立中央博物館を含め、全国の国立博物館が所蔵している文化財をモチーフに、商品を企画・販売する国立博物館文化財団によると、文化財商品の売上高は2020年=38億ウォン、2021年=66億ウォンから昨年は117億ウォンへと急増した。昨年の売上は、2011年に財団が発足して以来、最高額となっている。最近、財団が披露した螺鈿食膳型無線充電器と高麗青磁模様の電子機器ケースは、発売するやいなや品切れとなるほど大きな人気を集めた。

国立博物館文化財団は、10年以上、民間企業を対象に文化財商品の企画アイデアを公募してきたが、今年上半期(1~6月)は154社から798種の商品を出品した。国立博物館文化財団のキム・ミギョン商品企画チーム長は、「この10年間、出品規模の中では史上最大だ」とし、「『半跏思惟像のミニチュア』など文化財企画商品がロングセラーになったため、新進デザイナーの参加が増えている」と話した。

西原(ソウォン)大学広告広報学科のキム・ビョンヒ教授は、ヒップトライディション・ブームについて、「文化に関心の多い20代や30代は、博物館で展示を見ることで止まらない」とし、「芸術作品を自分部屋に持ち込んで楽しむことを積極的に希望する」と話した。慶州(キョンジュ)大学文化財学科のチョン・ビョンモ元教授は、「博物館でしか見られなかった文化財と関連した商品を、日常でも接することができるということが、20代や30代に意味を持って働いている」とし、「文化財の小物は、高価な美術作品に比べて割合価格が安く、より魅力的に感じる」と分析した。


イ・ソヨン記者 always99@donga.com