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「韓国、サプライチェーン妨害に最も脆弱」、貿易構造を変えなければ未来はない

「韓国、サプライチェーン妨害に最も脆弱」、貿易構造を変えなければ未来はない

Posted May. 29, 2023 08:39,   

Updated May. 29, 2023 08:39

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主要国の中でグローバルサプライチェーン(供給網)妨害の悪影響に最も脆弱な国として韓国が挙げられた。ソウル大学国家未来戦略院が各国の輸出・輸入構造を分析した結果だ。サプライチェーン問題が韓国経済の最大のリスク要因として浮上する中、米国が主導する「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」参加国が中国を牽制する協定に合意するなど、国際サプライチェーンをめぐる争いは激化している。

国家未来戦略院の分析によると、海外の特定国によるサプライチェーンの妨害で被害を受ける可能性を測定した「輸入脆弱性」で韓国は世界1位となった。日本、ベトナム、タイ、インドなどアジア諸国が2~4位だったが、いずれも中国に近く、貿易の比重が大きな国だ。逆に、自国の輸出企業・製品の支配的な地位を通じてグローバルサプライチェーンを左右できる能力を意味する「輸出力」で韓国は11位にとどまった。1位は中国で、ドイツ、米国、イタリア、インドなどが続いた。

韓国の輸入脆弱性が高いのは、主力製品の生産に必要な主要装備、原材料を海外に依存しているためだ。電気自動車のバッテリー用原料は中国に、半導体装備・素材は米国、日本、オランダからほとんどを輸入している。一方、韓国が抜けるとサプライチェーンに問題が生じる製品は、メモリ半導体、バッテリー、造船など一部の品目だけだ。

脆弱な貿易構造が韓国経済の弱点であることが最近になって確認されている。先月まで11ヵ月連続で減少した対中輸出が全体の輸出を圧迫している。今年第1四半期の対中輸出依存度は19.5%で、2018年の26.8%より低下したが、依然として高い。中国の景気回復が期待に及ばず、韓国経済に寒波が押し寄せている。一方、昨年の中国の輸入品のうち韓国製のシェアは7.5%で01年以来最も低く、中国市場に対する韓国の支配力は弱まっている。

さらに、米国、韓国、日本など14ヵ国が参加したIPEFが中国の資源の「武器化」に対応するネットワークを創設することで合意するなど、中国をグローバルサプライチェーンから排除し、影響力を減らすための動きは加速している。中国に大きく依存してきた韓国経済に致命傷となる可能性がある変化だ。半導体の錯視効果のため、約10年間、斧の柄が腐ることを知らずに放置してきた貿易・産業構造を徹底して見直さなければ、韓国経済の未来を期待することはできない。