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米戦略兵器を電撃展開、「適時」抑止力を育てなければ

米戦略兵器を電撃展開、「適時」抑止力を育てなければ

Posted February. 03, 2023 07:46,   

Updated February. 03, 2023 07:46

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米国が1日、長距離戦略爆撃機B1Bとステルス戦闘機F22、F35Bを韓半島に展開した。これらの戦略兵器は、韓国軍F35Aとともに西海(ソへ・黄海)上空で今年初の合同空中演習を実施した。今回の演習は、オースティン米国防長官が韓米国防長官会談で、「F22、F35、空母の展開を増やす」と発言した翌日に行われた。北朝鮮は2日、「米国のいかなる軍事的企図にも『核には核で、正面対決には正面対決で』超強力に対応する」と反発した。

今回の戦略兵器の展開は、北朝鮮の核・ミサイル挑発に対抗して拡大抑止を提供するという米国の約束が言葉だけでないことを示した措置とみられる。米国が3種の空中戦略兵器を一度に展開したのは異例のこと。さらに中国が神経を尖らせる西海上空で展開したことで、北朝鮮を庇護する中国にも圧力を加えた。オースティン氏が、「米国の約束は単なるスローガンではなく、堅固で鉄壁のようだ」と強調したようにその能力と意志を示したのだ。

今回の措置は北朝鮮に対する強力な警告とともに、韓国国民に向けたメッセージも盛り込んでいる。北朝鮮の核の脅威が日々強まり、米国の防衛約束にもかかわらず、国民の間では懐疑の念が強まっている。米国が自国本土まで脅かされている状況で、果たして韓国を守ってくれるのかという不安とともに、独自の核武装の世論も大きくなっている。このような疑念を受け、米国の約束を疑ってはならないと固い決意を示すために電撃的な連合空中演習を実施したのだ。

ただ、北朝鮮が最も恐れているという「死の白鳥」B1Bの韓半島展開が、見せるだけのサプライズカードと映ったのは残念なことだ。B1Bの展開は昨年11月以来3ヵ月ぶり。その時もワシントンで韓米国防長官が年次安全保障協議会議(SCM)で会った直後だった。両国国防トップの会談というイベントに合わせて、米国が韓国の国際安全保障の貢献を注文し、誠意表示としてB1B展開カードを使用するのではないかという疑念も抱かれる。

韓米は昨年、拡大抑止の核心である戦略兵器の「適時に調整された展開」に合意した。今月中に実施される拡大抑止手段運用演習(DSC TTX)を手始めに、常時の戦略兵器の展開、運用に対する共同計画と演習を通じて実質的な能力を育てなければならない。適時に強力な抑止力を誇示する同盟の実行力こそ、北朝鮮の挑発衝動を挫き、国民を安心させることができる。