Go to contents

韓米同盟重視の尹政府、中国の反発懸念しクワッド参加には慎重モード

韓米同盟重視の尹政府、中国の反発懸念しクワッド参加には慎重モード

Posted November. 26, 2022 08:32,   

Updated November. 26, 2022 08:32

한국어

米国は、昨年1月にバイデン米政権が発足して以降、クアッド(Quad)、ファイブアイス(Five Eyes)、オーカス(AUKUS)など多国間の安全保障協力枠組みを通じて対中包囲網を強化してきた。

クワッドは、米国と日本、オーストラリア、インドの4ヵ国で構成されている。2004年にインドネシアを襲った大地震の被害の復旧支援を目的に発足したが、トランプ政権の時に対中国牽制の性格が強まった。米国や英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど英語圏5ヵ国によるファイブアイスは、第2次世界大戦直後の1946年、米国と英国が共産圏との冷戦に対応するために結んだ「機密情報共有協定(UKUSA)」から始まった。これらの国々は「エシャロン」という通信傍受システムを活用し、全世界で収集した軍事機密情報を共有してきた。

米国は昨年、英国、オーストラリアと安全保障協力枠組みであるオーカスを立ち上げ、オーストラリアに原子力潜水艦の建造技術を提供した。最近では、核兵器の搭載が可能な米国のB52戦略爆撃機のオーストラリア配備計画も公開し、インド太平洋域内で、積極的な対中軍事協力を続けている。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、発足直後から前政権とは異なり、外交の中心軸を韓米同盟に置く考えを明らかにしてきた。米政権の度重なる要請にもかかわらず、中国との関係を考慮してクワッドへの参加に曖昧な態度だった文在寅(ムン・ジェイン)政権とは異なり、尹氏は大統領選挙公約に「クワッドの正式参加」を模索することを明示した。ただし、中国との軋轢を最小化するために、インフラ構築やワクチンなど機能・分野別の協力から推進するという立場だ。中国は、王毅外相が米国主導のこれらの安全保障協力枠組みに対して、「冷戦的思考の拡散で軍備競争を扇動する」と非難するなど、反対の考えを明らかにしてきた。

政府は、北朝鮮の挑発への対応のためにも、安全保障協力枠組みとの協力を強化していく方針だ。北朝鮮が、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)17」を発射した18日、タイのバンコクでアジア太平洋経済協力(APEC)会議に出席していた韓悳洙(ハン・ドクス)首相は、ハリス米副大統領の緊急要請で開かれた6ヵ国安全保障会議に出席した。米国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、日本、韓国の6ヵ国は会議後、共同で北朝鮮の挑発を非難するメッセージを出した。ファイブアイスのうち英国を除く4ヵ国と韓国、日本が膝を突き合せたのだ。


申圭鎭 newjin@donga.com