Go to contents

振り出しに戻った大宇造船売却、新しい買い手探しは霧の中

振り出しに戻った大宇造船売却、新しい買い手探しは霧の中

Posted January. 15, 2022 08:19,   

Updated January. 15, 2022 08:19

한국어

現代(ヒョンデ)重工業が、大宇(テウ)造船海洋の買収を最終的に放棄した。これを受け、政府による大宇造船海洋の買い手探しは続く見通しだ。

大宇造船海洋の財務構造などを考慮すれば、適当な候補を見つけるのは難しいのが現状だ。何よりも、国内造船会社の低価格での受注競争を防ぐために、「ビッグ2」造船会社に再編しようとする戦略が白紙となり、韓国造船産業の体質改善に失敗したという指摘も相次いでいる。

14日、公正取引委員会(公取委)は、現代重工業グループの中間持株会社である韓国造船海洋が、大宇造船との企業結合申告を撤回したと発表した。公取委は、「13日(現地時間)、欧州連合(EU)の競争当局の禁止決定により、企業結合を推進し続けることはできない状況となっている」とし、「契約打ち切りが確認され次第、審査手続きを終了する」と明らかにした。

13日(現地時間)、EU執行委員会は、「液化天然ガス(LNG)の運搬船市場で、支配的な位置を形成し、競争を阻害することになる」として、両社の結合を許可しなかった。現代重工業は2019年、6カ国の競争当局に企業結合を申請し、中国やシンガポール、カザフスタンから承認を受けた。しかし、韓国やEU、日本の承認が見合わされていた中、EUが最終的に拒否し、企業結合は挫折した。現実的に企業結合を行うためには、審査局すべての承認が必要だ。

現代重工業は強く反発し、訴訟に乗り出す空気も感知されている。しかし、EUを相手に是正を求めるとしても、結論が出るまで再び1年以上がかかるものと予想され、実益がないと判断したものとみられる。造船業界では、かえって、現代重工業が買収後、有償増資で投入しようとしていた1兆5000億ウォンを節約することになり、財務的に余裕ができたことは前向きなことだという反応も出ている。

問題は大宇造船だ。昨年は1兆3000億ウォン台の赤字が予想され、現代重工業が投入することになっていた新規資金が惜しいのが現状だ。KDB産業銀行の元に戻り、再び売却作業を経なければならず、経営の不確実性は拡大せざるを得ない。

政府は、「グローバル造船産業の構造調整により、過当競争の懸念が大幅に減少した」として、両社の合併が白紙化されたことの衝撃は大きくないと説明した。しかし、造船業の好況期が過ぎれば、3社の出血競争が再び繰り返される可能性もなくはない。造船業界の関係者は、「合併審査のために3年間という時間が費やされ、リーダーシップのない大宇造船は、新しい買い手が現れるまで果敢な投資が難しくなった」と分析した。

債権団は、2019年と現在の変わった造船業界の現状や大宇造船の財務構造などを考慮して、企業価値を再び算定後、適正な売却価格を試算する方針だ。ひとまず、海外への売却可能性は排除することで意見がまとまった。政府の関係者は、「2019年も今も、海外売却は困る」と一線を画した。大宇造船は、高付加価値船舶である液化天然ガス(LNG)の技術を保有している上、防衛産業を手がけている。

大宇造船の買収候補としては、ハンファやポスコ、暁星(ヒョソン)などが取り上げられている。しかし、2020年末に166.8%まで下がっていた負債比率が297.3%に高まり、昨年は大規模な赤字まで予想されるなど、財務構造が脆弱な大宇造船を買収する候補はいないというのが大方の見方だ。三星(サムスン)重工業は、EUの競争当局の反対が予想され、早くから排除される雰囲気だ。これを受け、状況が悪化すれば、分割売却や海外売却のカードが蘇りかねないという見方も出ている。


李建赫 gun@donga.com · 姜有炫 yhkang@donga.com